『少女終末旅行』  第五話「住居」「昼寝」「雨音」


 これまた、のんびりしたサブタイトルである。「昼寝」とかもう代表的なのんびり語ですよね。「のんびり+5」のレアアイテムみたいな。

 

「住居」

 今日も今日とて終末旅行を続ける二人。たくさんの人が住んでいたのであろう巨大住宅地を進むが、やはり世界には人がいない。家はこんなにあるのに(byユーリ)。
 マンションか社宅といった風情の居住地で、この全てにかつて人が住んでいたと思うと、かなりの人口を抱えていたことが窺えます。

 
 ケッテンクラートを指さして、

ユーリ「ねえ、アレは? 家じゃないの?」
チト「車両は家じゃないだろ」
ユーリ「はいかいいえで答えて」
チト「いいえ」
ユーリ「家だけに」
チト「だまれ」

 なんだこの漫才。この安定の終末漫才。

 


 扉がある家を発見したチトとユーリ。

 開けてみると、夕日に浮かぶ塵とソファや机が。なんと水も出ます。家具がある家は珍しいらしく驚く二人は、仲良くソファに座り込む。いっそのこと、ここに住めばいいんじゃないか。それともやはり、上層へ向かうのだろうか。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒつくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

 

  改めて整理すると、2人の「目的」は上層へ辿り着くことですが、「そのまた目的」は今もって謎なんですよね。

 上層へ何しに向かってるんでしょう。何かが待っているのか、単に行ってみたいだけなのか。どうもヒダマルは、後者ではない雰囲気を感じるのですが……。

 


 ちゃんと天井があって、四方が壁に囲まれていて、そんな空間にチトも気に入っている様子。意外と普通な暮らしに憧れていたのか。
 二段ベッドを置きたいと所望するユーリですが、そうだね、もちろん上がいいよねアナタは。
 チトの希望はもちろん本棚。本棚いっぱいの本なんて見た日にゃあ、チトは涙を流すことでしょう。向こうを張って食料棚を希望するユーリですが、そうだね、もちろん食欲優先だよねアナタは。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒつくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

 

 

 過去の人々の豊かな暮らしに想いを馳せる二人。暖かな暖房に、子ども達の笑い声、溢れる光に包まれて、ってコレはマズイ、昇天コースだっ。「マッチ売りの少女」のパターンですってっ! 目を覚ませー。寝たら死ぬぞー(たぶん)。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒつくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

 

 翌日、快適な家を立った二人は、「この旅路が私たちの家」みたいなクサイ結論に落ち着くのでした。

 

 

 

「昼寝」

 チト、運転中にこっくりこっくり。居眠り運転は命に関わりますぞ。
 先週、よそ見運転で痛い目に遭ったのを忘れたのかアナタ。そういえばその前も崖に落っこちそうになってたなアナタ。

 案の定、ユーリに起こされ急ブレーキ、すんでのところで激突を免れる。疲れてるのか、チトは休憩を申し出る。

 
 なるほど、昨日は石積遊びでエキサイトしたので寝不足らしい。このくらいしか娯楽がないのかこの終末世界は。というか夜は暗くて遊んだりできないと思うけど、そうか街灯が生きてるのか。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒつくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

 

 こんな娯楽でも真剣に楽しめる二人の関係が素敵ですね。果ては明日のレーションを一本賭けることに。チトは負けたんだろうなー。あ、やっぱり負けてたなー。
 この2人、いちいち予想を裏切りません。

 


 そんなわけで、二人並んでお昼寝へ。

 

 ――しかし、気がつけばなんと、チトは不安定な石の上に座っているではないか! そこに巨大ユーリが現れる!
 うん、100%夢ですね。「でかいな」の一言で受け入れられる辺りがやっぱり夢ですね。

  巨大ユーリにいじられつつ、石から落ちたチトは水中へ。しかし魚の背に乗って難を逃れる。広大な海を前にぽつりと「おじいさんにも見せたかったな」と漏らします。口の端にちょいちょい出てくる「おじいさん」ですが、2人の過去が明かされる日は近いのか。

  そこへ、再び巨大ユーリが現れる! いや、巨大ユー魚が!

 荒れ狂う波頭! 怪魚に飲み込まれるチト! 彼女の運命や如何にっ!?

 

 ……誰かに食べられちゃう夢ってかなり病んでると思うのですが、彼女の精神状態は大丈夫でしょうか。しょっちゅう悪夢を見るヒダマルでさえ(打率7割)、食べられたことはないのですが。


 目が覚めたチトは、悪夢の元凶(?)になったユーリの口にとりあえず石を突っ込んどくのであった。

 

 

 

「雨音」

 移動中、急な雨に見舞われるチト&ユーリ。雨でテンションを上げられるユーリさん、子どもです。
 バイクで旅をしているので、雨は嫌でしょうね。雪と違って凍死する心配はないだけマシか。

 止むまで雨宿りをすることに。本を読みふけるチトと、カンカンして遊び始めるユーリ。子ども。

 

 さらに、ヘルメットに雨だれをぶつけて、「いい音」を生み出すユーリ。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒつくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

 

 雨音遊びにチトの知恵も加わり、更なるいい音に包まれる。これも娯楽なのでしょう。文明を忘れた状態の人間にとっては、こんな些細な自然現象にも楽しみや意義を見出せるのかもしれない、なんて高尚なことを考えさせられるヒダマルです。

 そう、二人が楽しんでいるのは「音楽」です。リリンが生み出した文化の極みはこんな終末にも息づいていたのか。

 


 雨音のリズムが次第にメロディを作り、なんとそのままEDへ。いつもと違うEDですよ。ちょっと「しんみり系ED」の流れを汲んだ雰囲気の曲ですね。スタッフロールと同時の歌声に、完全に虚を突かれてしまいました。

「音楽の流れでED」など、原作ではありえないはずなので、アニメスタッフさんの工夫でしょう。ヒダマルは、こういう遊び心、大好きです。

 雨がやんでも、雨音の余韻を感じながら、もうしばらく休んでいくチト&ユーリでした。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒつくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

 


 のんびり、まったりした新感覚アニメですが、こんな調子で特に何事もなく進んでくれたらいいですね。「11話ショック」とか起こってほしくないなー。でも起こりそうだな―。終末だもの。