『干物妹!うまるちゃんR』  第十一話「うまると星空」


 切絵とボンバが、こまる師匠ん家でエンカウントします。
 上記の一文だけでもう面白んだからスゴイですね。キャラクターって大事だ。

うまると星空


 こまる師匠とシュークリームを食べる切絵ちゃん。そのシュークリームは「知らないうちに家に置いてあったので」と切絵ちゃんが持参したものですが、なんでしょうねその曰く。そんなもん持ってきちゃダメでしょう。めっ。

 そこに、寒さに震えるボンバが訪問します。
 うん、友達ん家のテンションで家族と鉢合わせるって気まずいですよね。しかも、お兄ちゃんが買っといたシュークリームを無断で持ってきた直後とか(それは自業自得)。


 気まずいのはボンバも同じなようで、土間家の食卓を挟んで沈黙しちゃいます。
 しかし、口を開いたのは兄・ボンバ。人付き合いの苦手な妹が、こうして友達と一緒に遊んでいる事実が、素直に嬉しいのです。
 そして、素直に口に出すのです。
「良かったな、いい友達が出来て」と。

 清々しい顔でうなずく切絵ちゃん。
 うんうん、やっぱり、兄妹なかよく。


 ……「嵐の前の静けさ」という言葉があってですね。
 和んだ空気にホッとしたうまるが会話に参加しますが、憧れのこまる師匠をボンバがたぬきちと呼んでいる事実に耳を疑う切絵ちゃんです。

 

切絵「師匠をタヌキと言ったかぁーー!!」

 

 キレる切絵と、ビビるボンバ。
 こまるを尊敬する切絵ちゃんにとっては、師匠のかわいらしさをタヌキ呼ばわりされるのは我慢ならないのです。食ってかかる妹に「お前も「師匠」って変だろ。一体何の師匠だよ」と言い返すボンバ。

 怯んだ切絵は、一期で海に行った話を持ち出します。女性の悪い癖です。「私に気付かないし! なんで妹に気付かないっ!?」とぷんすかちゃんな妹に、もはや成す術がないボンバ。妹からの罵倒にHPがレッドゾーン。

 師匠の助け舟(魅力?)により、見事仲直り(気分転換?)できた元場兄妹は、一緒にゲームではしゃぐのでしたとさ。

 

 タイヘイに「ファミ通」のお使いを頼むうまる。曇天を苦慮して「本はやめた方が……」と提案する兄ですが、他人事だと思って「これくらいじゃ降らない」と断言します。


 今日のお買い物ルートを綿密にシミュレーションする兼業主夫・タイヘイ。律儀に本屋へ寄り、ファミ通を探します。

 その時、本屋の絵本コーナーで切絵ちゃんと遭遇。話しかけたものの、そそくさと逃げられてしまいました。そういえば、前に会った時も「絶」で姿を消してましたっけ。
 というのも切絵ちゃん、今回は「絵本作家になりたい」という本を読んでたんです。まあ、恥ずかしいですよね。
 人は時に、恥ずかしがる必要のない部分を、恥ずかしがってしまいます。思春期の皆さんに向けて言いますが、それって思春期だけじゃないですよ。大人だって、大半がそうですよ。だからファイト。

 

 買い物を済ませ、デパートを出るタイヘイ。あちゃ、やっぱり雨降ってます。
 出入口の庇には、切絵ちゃんの後ろ姿もありました。改めて声をかけるタイヘイ。ですが、やはりテンション低めです。元気、少ないね(石田ボイスで)。


 冬の雨音に紛らわせ、タイヘイに将来の目標を呟いてみる切絵ちゃん。

 彼女には、将来の夢があります。どうしてもなりたい、職業があります。
 夢の職業に就く方法を調べてみようと本屋に行ってみたは良いものの(えらい)、「才能」「持ち込み」「狭き門」「コンクール」などなどの現実を突きつけられてしまって落ち込んでいたみたいです。

 そうですね、今は昔と比べ物にならない量の情報がわんさと溢れていますから。
 役に立つことも多くありますが、現実だったり世間だったりを「体験する前に、情報にだけ触れ過ぎてしまう」というデメリットも確かに存在しますよね。


 世代間の環境差異を無視して「ゆとり」だの「さとり」だの揶揄するのはナンセンス極まりないぜ(揶揄・中傷の意図でなく、分析結果に対する分かり易いラベリングという点でなら、ヒダマルは必ずしもそのやり方を否定はしませんが。まぁ結果そうなりますよね……)。

 


 閑話休題
 高校時代に成績トップだったタイヘイと比べて、自分が夢を追うことの可能性・
現実性を疑う切絵ちゃん。

「こんな話されても困りますよね」と話を中断しようとする彼女に、タイヘイは言葉をかけるのです。


タイヘイ「そんなことないよ。切絵ちゃん、凄いと思う」


 自分の高校生活はただ勉強ができていただけで、将来の仕事なんかは考えていなかったこと。目の前のことをやってきただけで、今もそんな感じであることを振り返り、彼女に伝えます。

 タイヘイの素直な言葉に、「絵本作家」という夢を口に出す切絵ちゃん。「絵本で、色んな人に、師匠のことを伝えたい」という想いから、日々、拙い技術を磨いているのです。

 

タイヘイ「それは、切絵ちゃんにしか出来ないね」
切絵「…………、はいっ」

 

 歳の差を超えて心を通わせる2人の元に、うまるがやってきます。傘を持たせずに送り出したのを悪く思ったんですね。うまるもこの辺、成長してますね。
 切絵ちゃんに傘を貸せたのは良かったものの、お兄ちゃん、ファミ通買うのは忘れちゃってました。

 

 有名な絵本作家、五味太郎さんのお言葉に、

「本当にやりたいことがあって、それをやってるのなら、人生それなりに甘い」

 というのがあります。うろ覚えなので、細部はかなり違うと思いますが。
 人間、本気でやろうと思って出来ないことはないはずなので(ヒダマルは楽観主義者ではないので、例外も大いにあるとは考えますが)、この「それなりに甘い」という言葉は良いですよね。基本、「大変だー大変だー」と脅してきますからね、大人は。それもまた現実でしょうが、光があったって良いはずだ。
 だから、ファイト。

 

 

 何度目かの、恋の作戦会議をする海老名ちゃんと切絵ちゃん。
「一気に二人の仲を接近させるプランを用意しました」と意気込む切絵ちゃん、今まで以上にヤル気です。「スーパーサイヤ人ブルー」みたいな気を放ってますよ。
 タイヘイのことを憎からず思い始めただけに、親友の恋路を応援したいんですね。

 遊びに来たのはスケートリンク
 そう、スケートが滑れない海老名ちゃんを、タイヘイに手取り足取りフォローしてもらおうという作戦です。「原因が別なドキドキを、恋のドキドキと勘違いしちゃうう」という「吊り橋効果」を狙っている訳ですね。
 更にあわよくば、「2人が進展している間に、自分はうまるさんといちゃいちゃしよう」という魂胆ですね。

切絵(恐ろしい。恐ろしいほどに完璧なプランニングっ……!)

 と悦に入る切絵ちゃんですが、「シュパーン」という効果音と共にイレギュラーがカットイン。うん、こんな音を出すのはシルフィンです。
 彼女だけを誘わない訳にも行かず、不可抗力で連れて来ちゃったのです。一抹の不安要素が存在するこの状況を、

切絵(ま、まぁ、ひとりでシュバシュバ滑ってるんじゃないかな……。なんとかなるっ)

 と前向きにとらえる切絵ちゃん。うん、やっぱシルフィンに対しては軽くディスりますね彼女。


 スケート靴も履いて、いざ鎌倉!
 しかし、そこで衝撃の事実が判明します。

 お兄ちゃん、滑れないんです。
 イメージで判断して、下調べを怠りましたね。これは不覚です。


 オマケに、うまるとシルフィンの采配で「うまるとタイヘイ」「切絵と海老名」というコンビになっちゃいました。あ、ちなみにシルフィンは予想通り(というか、予想以上に)ひとりでシュバシュバ滑っています。うまい。「ちょっと滑る地面だと思えば良いんですわー」って、天才肌ですね。

 フィギュアスケート選手顔負けの3回転半スピンを見せるシルフィンに、「うまるさんの方が、綺麗なジャンプが出来るはずですっ!」と何故か対抗心を燃やす切絵。切絵の提案に、超乗ってくるシルフィン。うまるとスピン勝負をするために、彼女をタイヘイから引っぺがして拉致りました。

 残されたのは……、「タイヘイと海老名」!


 手を取り合って見つめ合うお2人。
 予想通りの吊り橋効果。

 ドキドキな海老名ちゃん、知らず知らずにタイヘイの手を離し、ガチな方々がビュンビュン滑ってる「上級者ゾーン」へ侵入してしまい、タイヘイはドキドキしましたとな。

 楽しかったものの、今回もまったく進展してない海老名とタイヘイでした。

 

 

Bパート。
 今日も遊びに来ているヒカリと、3人で夕食を食べます。今日の献立はクリームシチューとロールパン。うん、やっぱ火曜日だ。

 一口食べればとろける美味しさに感動する妹ズ。
 ヒカリ曰く、叶の作ったクリームシチューは黒かったのだとか。「ゴゴゴゴゴ」という擬音が湧き出るくらいの怪しい料理なのだとか。食べれば肩こりが治るとかなら救いがあるのですが……。

 食後に、3人で星空を眺めます。
 その時、ヒカリの横顔に過去を思い出すタイヘイ。タイヘイは昔、まだ小さかったヒカリに、星の名を教えたのです。


 ヒカリの過去編。
 不思議な姉・叶が連れてきた男友達、タイヘイ。いつもと違うお姉ちゃんの様子を見て、ヒカリは叶の気持ちを察するのです。
 早々に帰ろうとするお兄さんに、「あの、お姉ちゃんの料理食べてってください」引き留めるヒカリ。手料理を作ることになって、わちゃわちゃする叶。

 結果、どす黒くてドブみたいな色のシチューが出来ました。昔から変わってないというか、成長してません。
 まともな料理ができるまで、星野名前を教えることになったヒカリちゃん。不思議なお姉ちゃんが連れてきた、不思議な男の人を、それ以来忘れられなかったのです。


 やっと自分を思い出してくれたタイヘイに、「ヒカリのお兄ちゃんっ」と抱きつくヒカリ。その目には涙が光ります。

 彼女の涙に心を動かされたうまる。
 別れ際、「またね」と言葉を贈るのでした。

 

 ヒカリとタイヘイの過去が明かされた訳ですが、ちょいと話が薄いような気もするヒダマル……。なんというか、ヒカリがあそこまでタイヘイに憧憬を抱いている理由として、しっくりこないというか……。
 まあ、「恋の始まりに理由はない(山ちゃんボイスで)」とも言いますしね。

 

 次回、「みんなとうまる」。
 第二期を締めくくる大団円ですね。