~男女共に楽しめるアニメ~ 『ブレンド・S』のヒダマル分析。

 

 一言で表すと、「視聴者の秘められたМを目覚めさせる作品」ですね。バックに「ドМ振興委員会」みたいな組織が付いてるんじゃないでしょうか。

 国民をドМにコンバージさせることで骨抜きにすべく某シンジゲートにより創作された漫画・アニメじゃねぇかって妄想しちゃうヒダマルですが、駄妄はこれくらいにして分析を進めましょうか。

 

 

 

 このアニメについては、第一話の時点で「女性受けを考えたアニメ」であると考えた訳ですが、最終話まで見た結果、やっぱりその通りという印象でした。

  論拠として、

1、男性キャラの配置。

2、1対1の恋愛模様。

3、恋の進展の速さ。

 

 順に追っていきましょう。

 

 

 

1、男性キャラの配置。

 ディーノと秋月のポジションは、創作上、女性キャラでもそんなに問題はなかったと思われます。しかし、「恋愛」という要素をしっかり絡めようと思えば、基本的には「男性キャラ」が必要になる訳です。

 女性キャラとの恋愛模様をきちんと描くために、店長・厨房に男を配置したのでしょう。

 

 『きんいろモザイク』『ご注文はうさぎですか?』『ニューゲーム!』等のきらら漫画・アニメのように「すべてのキャラクターを女性で固める」というフワフワした世界観でなく、女性も男性も混ぜ合わせた環境を作っている辺り(逆に、イケメン男性キャラのみで構築した世界観でない辺り)、「男女問わず楽しめるアニメ」なのです。

 

 あっ、

 ……ひでりんも男か。

「男の娘」という存在が、男女のどちらに需要があるのかはヒダマルちょっと分かんないのですが……、6:4くらいで女性向けかな……? 絶対数も多くないし解析し辛いですね……。

 

 

2、1対1の恋愛模様。

 かといって、恋愛を取り上げている物語が一概に女性向けであると判断するのは早計が過ぎます。

 男性向けか女性向けかを区別するポイントは、「恋愛模様」にあるのです。

  

 恋愛を取り上げた男性向け作品には『ニセコイ』『トラブル』『いちご100%』等があり、その主軸は「主人公は、誰と付き合うことになるのか?」に置かれています。

 

 これに対して、『俺物語!』『彼氏彼女の事情』『うそつきリリィ』等の女性向け作品群は「お付き合いしている主人公(主に女性)とそのパートナー(主に男性)は、どんな恋愛を展開するのか?」が主軸です。

 

 男性向け作品が「お付き合いに至るまで」を描いているのに対し、女性向け作品は「お付き合いが物語のスタート」なんですね。

  この条件では、男性向け作品の恋愛が「ハーレム模様」であるのに対して、女性向け作品は「1対1」が基本になるのは自然な流れです。

 

 以上の分類にはもちろん例外もあり、「女性主人公一人に対して、アプローチをかけてくる男性キャラが複数人いる」という女性向け作品も存在しますし、「お付き合いの始まりまでを描いた物語」も存在します。

 

 最近では、前者が『私がモテてどうすんだ』、後者では『君の名は。』が有名ですね。『君の名は。』が女性向けかどうかは賛否あると思いますが、ヒダマルの分析的には明らかに女性向け作品です。

 人間(というか、哺乳類)の進化を考えると、「1対1系」の作品はだいたいが女性向け作品に分類されますので。

 

 ……人間を動物的観点から解析することに不快感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、人類のみが進化の歴史から逃れた例外であると考えるのはちょっと傲慢です。

 厳しく言えば、感情の座に胡坐をかいて真の人間の理解を遠ざけている怠惰な行為です。

 人間を愛するためには人間を理解する必要がありますし、男女平等を実現するためには男女不平等を理解する必要があります。

 

 そういった回り道が、こうやってエンターテインメントを楽しむ一助となってるわけですし。塞翁が馬。

  興味ある方は、ジャレド・ダイヤモンドさんの「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか?」なんか読むと面白いですよ。創作の解析・分類において新たな知見を与えてくれること請け合いです。

 

3、恋の進展の速さ。

 2の条件を踏まえると、この「恋の進展の速さ」に差が出るのは自ずと然りです。

  男性向けの「お付き合いまで」の物語で話がトントン拍子に進めば、あっという間に最終回ですからね。

 逆に、「初デート」「初キス」「初体験」等の「恋の進展」に注目した女性向け物語では、常に何かしらの進展・障害が求められるため、恋愛関係が素早く前に進んでいく傾向があります。

 

『ブレンド・S』はというと、この中間にあると言えます。1クール内でデートや壁ドンや告白に挑戦している辺りは女性向けですが、すぐに付き合い始めることもない。

 「最後は苺香とディーノが付き合う」というのは鉄板として、「そこに至るまでに、どんな「すったもんだ」があるのか?」が面白ポイントに設定されている訳ですね。

 

 

まとめ。

 かようの如く「女性受け」も考えた構成である一方で、「きらら漫画」的な萌え要素もきちんと押さえており、「女性受けも狙ったアニメ」であって「女性向けのアニメ」までは踏み込まない工夫も随所に見られた作品です。

 工夫っていうか、他の男性オタク向けアニメがやっていることを踏み外さないように意識している訳ですが。ひでりん風に言うなら、「萌え豚」の為の要素ですよね。

 

「目つきの悪い天然ドS・無自覚小悪魔・黒髪パッツン純粋少女」とか、「見た目と実年齢にギャップのあるアダルト幼女」とかの王道を走れるキャラを配置しつつ、男性キャラも采配するというバランス感覚がポイントだと思うのです。

『ワーニング!』みたいな、高津カリノさんの作品群もこのタイプに当てはまりますよね。「男女入り乱れており、カップリングが完成している」という作品です。

 

 

 ヒダマルは特にフェミニストでもなく(かといって女性蔑視者でもなく)、「恋愛における性行動の認識の違い」とか「進化論から読み解く性役割」みたいな学術的な論調に胸を弾ませるタイプの人間ですが、こういう「男女共に楽しめるアニメ作品」というものが、もっとあっても良いんじゃないかと思います。

 そのため、こういった特性を持つ作品はアニオタとして素直に嬉しいですね。

 

 ちなみに、そういった作品を作れるのは、「女性作家さんであることが多い」というのが、ヒダマルの印象です。