『ラーメン大好き小泉さん』 第一話「ヤサイマシニンニクカラメ」「まーゆ」「こってり」


 鳴見なる原作、竹書房刊『ラーメン大好き小泉さん』。タイトル通り、ラーメンをテーマにした作品ですね。ラーメン青春グラフィティですね。キャッチコピーは「今日もどこかで彼女はラーメンを食べている」。
 2016年末には実写ドラマにもなってるんだとか。

 

 


 授業中、ぼんやりとよそ見する女子高生・「大澤悠」。彼女こそ、この物語の主人公です。

 ……えっ、主人公は「小泉さん」?
 それはそうなんですが、えーと、アレです。「『ハルヒ』におけるキョン」、「『ドラえもん』におけるのび太」、そんな感覚です。


 彼女の視線の先には、最近転校してきた謎の金髪美少女「小泉さん」。悠さん、彼女のミステリアスな美貌に見とれているのです。昔から可愛い子には目がないのだとか。
 おぉ……、いきなりの百合っ気です。


 それはそうと、大澤悠さん、パッと見は少年ですね。髪型とか、活発そうな印象を受けます。
 黒髪ショートカットでクリッとした瞳、どこかで見たと思ったら、『乱歩奇譚』のコバヤシ少年にそっくりだ。

 

 

 放課後、そんな悠さんの元へやってくる二人の友人。
 はい、説明台詞&自己紹介を兼ねての登場ですね。ちょっくら仕事して頂きましょう。


 友人その1・「中村美沙」は、冷たくてとっつきにくい小泉さんが苦手なご様子。というより、「美沙より可愛いとかありえないし」とか宣ってる辺り、苦手というより敵視してますね。昔から可愛い子が嫌いなんだそうです。

 ビジュアルは「ピンクの極細ツインテール(先は巻いてます)」です。
 声優さんは『ブレンド・S』の日向夏帆ちゃんを演じた「鬼頭明里」さんですね。二期連続のツインテールですよ。
 風の噂によると、鬼頭さん、1月11日(木)の『アニゲーイレブン』に出演なさるのだとか。録画、録画……


 友人その2・「高橋潤」は、小泉さんが苦手という訳ではないにしろ、話したことは一度もないのだとか。
 美沙よりは薄い感じのお姉さんっぽいキャラですね。言葉で表すと、「黒髪ロングのデコ眼鏡」です。あ、あと黒タイツ。

 

 

ヤサイマシニンニクカラメ」

 帰宅中、「今日は夕食当番だから」と、友人二人と別れる大澤悠さん。寄り道せずに帰ろうとしますが、家族から「今日はご飯いりません」の連絡が来ます。急にこうなると、嬉しいような困ったような。


 そんな時、通学路にあるラーメン屋が目に入りました。まだ開店前だというのに、たくさん並んでますね。

悠(食べたいけど、女子が一人で入るのもなぁ……)

 心の中で呟き、入店を避ける彼女ですが、とんでもないものを見てしまいます。この出会いが、大澤悠の運命を決定づけるのです。

 

 ラーメン屋から延びる行列。

 男性ばかりが居並ぶその最後尾に。

 

 

 小泉さんが並んでいました。

 

 

 己の目を疑う悠。
 あの「無口な謎の転校生クールビューティー金髪美少女」・小泉さんが、どうして無骨なラーメン屋なんぞに一人で並んでいるのか。
 なし崩し的に悠も列に加わることとなり、状況に追いつけません。

 しかし、せっかく憧れの小泉さんの背後に付けたのです。髪だのうなじだの白い肌だのじっくり観察、じゃねぇ、話しかけるのです。
 自己紹介を皮切りに、

 

悠「小泉さんって、一人でラーメン食べたりするんだ~!」

小泉さん「つるんで食べるものじゃないですから」


 凍り付く空気。

 しかし、せっかく小泉さんの背後に付けたのですッ。
 座右の銘は「めげない・引かない・あきらめない」、大澤悠はくじけません。続けて話しかけますが、反応は「黙」です。もう聞いてません。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 

 

                         
 ともあれ、入店。
 小泉さんと同じ「ぶたダブルラーメン」の食券を購入し、なんだか分からないままに注文した悠の前に現れたタベモノは、

 

 

 巨大ッ……!!

 

 

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会 

 

(肉ともやしの山ーーーーーーッ!?)

 

 山と盛られたもやしと肉に遮られ、あるはずの麺が見えません。いよいよ展開に付いていけない大澤悠さん、隣に座る小泉さんに助けを求めますが、

 

 小泉さん、臨戦態勢。

 

 長い髪を一つにまとめ、腕まくりして手首をコキコキしています。
 今、小泉さんの前にも同じラーメンが鎮座しました。当然です、悠は小泉さんに倣って注文したのですから(ヤサイマシニンニクアブラカラメ。なんだこの呪文)。


 割りばしを割り、手を合わせて。

 

小泉さん「……いただきます」


 伏し目がちだった小泉さんの瞳が――、開眼します。

 

 

 

 

 

 

 

 一突き。

 

 具材の陰に隠された麺を一突きで探し当てた小泉さんは、高らかに箸を上げる。飛び散る油、絡みつくスープ。
 すかさず口へと運び入れ、一気にひとすすり。まとわりついたスープと共に口腔内へ招いた麺を、ひたすら噛む、噛む、噛む。

 一口目を飲み込むと、ほとばしる唾液に応えるように二口目。
 そして狙いはチャーシューへ。スープに浸されたそれをしっかりと箸で捉え、獣の如くかぶりつく小泉さん。僅か二口で食した後、すぐさま野菜を頬張りその歯応えを味わう。そして再びの、麺。

 更なる高みへ登らせるのは、それら具材を包み込んでいた、濃厚なうま味を湛えるスープ。どんぶりを抱え、直接口元へ迎え入れる。
 煌めくスープ。
 唸る喉と、猛る高揚感。

 丼を離した小泉さんが見せた表情は、

 


 まさに至福――――!!

 

 

 

 

 

 

 

 


悠(な)

 

 


悠(な、)

 

 

(なに今の――――ッ!?)


 驚いたのは悠さんです。
 あれほどクールだった小泉さんが豹変し、勢いよくラーメンを食したのですからビックリだ。


 小泉さんはというと、未だ恍惚の表情。背景にお花が飛んでますよ。
 彼女の幸せそうな顔に見とれる悠さん、小泉さんに負けじと輝いています。

 しかし、悠の視線に気づいて正気に戻った小泉さんの「伸びますよ」の一言で、現実に引き戻されるのです。そう、これから、自分も目の前のモンスターと戦わねばならないという現実へ。


 湯気を上げる特盛ラーメン。
 唾をのみ、意を決する悠。

 割りばしを掲げ、もやしと肉の山に勇ましく立ち向かった彼女は、

 

 


悠「なんて量だ……。体中の穴という穴からラーメンが吹き出そう……

 悠さん、なんとか完食したみたいです。頑張りました。
 まさかのエンカウントに満身創痍の悠を置いて、去ろうとする小泉さん。桜並木の下、悠は彼女を引き留めます。

 クールで綺麗な小泉さん。
 実はラーメンが大好きな小泉さん。
 せっかくクラスメイトになったのだから、これからはもっと話をしようと。ラーメンのことでも、何でも。
 つまりは「お友達になろう」という意味ですが、

 

「お断りします」

 

悠「……え?」

 


 超絶クールに断られました。
 普通だったらここらでちょっと打ち解けるタイミングですが、小泉さん、ツンのみです。ツンガチです。


 冷たくあしらわれ、その場に取り残された悠は、小泉さんの後ろ姿を目で追いながら、

悠「桜舞う中の小泉さん、絵になるな~……。よし、また明日話しかけてみよっ!」

 この子は凹むことを知りません。
 なんて強い子だ。

 

 


「まーゆ」

 学食に向かう仲良し三人娘、悠・美沙・潤。
 新メニュー(ラーメン)の看板を眺める小泉さんを発見し、悠が声をかけるも逃げられました。小泉さん、「ウバメの森のカモネギ」みたいなヤツですね。

 彼女が見ていた看板には「熊本ラーメン 馬油」の文字が。しれっと「ご当地ラーメンフェア第一弾」とも載ってますので、今後の展開も期待できそうです。


 美沙(美沙よりモテる子はみんな邪魔)、潤(ラーメンが苦手)と別れ、小泉さんの隣に座る悠。その手には、もちろん熊本ラーメンです。ここでチャーハン持ってたら主人公失格です。

 熊本ラーメンの特徴、「馬油」について感想を述べる悠さん。「まーゆ」ではなく「うまあぶら」と連呼してしまい、小泉さんの反応を引き出しました。

 小泉さん、この場合の馬油は馬と一切関係ないことを流れるように解説します。
 最近、学校の近くにも新しく熊本系ラーメンの店が開店したという話題まで持ち込むことに成功する悠でしたが(というか小泉さんが一方的に話してましたが)、またも誘いを断られてしまいました。
 しかも「嫌です」とハッキリ。

 しかし「やっった! なんか今日けっこう喋れたんじゃない!?」が悠の思考回路です。本当に強い子だ。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 

 


「こってり」

 今日も今日とてラーメンを食べる小泉さん。
 そして、そんな彼女を実況する大澤さん。

 ……どうして一緒にいるのか?
 それは悠さんがストーキングしたからです。良い子も悪い子も、マネしちゃいけません。ヒダマルとのお約束。


 今回のお店では、カルボナーラ的なラーメンだそうです。白いスープを見て豚骨を連想する悠さんですが、小泉さんの目がジロリと光ります。ああ、怒られる。

小泉さん「そんな認識でよく今まで生きてこれましたね。驚きです」

 やっぱり怒られた。
 というか、見下された……

 

 


 ラーメン博士な小泉さん、ラーメンの味を決定する二大要素「タレ」と「ダシ」を解説します。なるほど、複雑な組み合わせが存在するのですね。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 

 しかし、福岡生まれ・福岡育ちのヒダマルですが、博多にもそんな詳しい人いませんから。悠さん、普通ですから。

 


 と。話しているうちに、麺がスープを吸収してしまいました。

 小泉さんのも同じ状態です。「私が無駄話ふっかけたばかりに」と謝る悠ですが、うーん、たぶん小泉さんはあなたが話していても、たとえ死の淵にいても、お構いも遠慮容赦もなくガン無視してラーメンを食べ続けると思うのですが……。

 案の定、

小泉さん「問題ありません。この時を待っていました」

 と宣言。


 このラーメンの場合、麺がスープを吸った時点からが美味いのだとか。
 小泉さん、ラーメンに関しちゃ「天下一品」です。

 

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 

 

 

 


 いやぁ、なんか凄いアニメが始まりましたね。かつてこれほどまでにラーメンを愛したアニメがあったろうか。
『博多豚骨ラーメンズ』との相乗効果で、来るか「ラーメン特需」……?


 テクニカルな事を言うと、なんていうか「ラーメン大好き小泉さん大好き大澤さん」という構造のアニメですね。小泉さんのキャラが濃すぎて陰になってますが、悠さんのキャラ設定がなければ成立しない構図でしょう。
 ストーリーがキャラを決定するのではなく、キャラにストーリーを作らせるにあたって、かなりのキーパーソンになってます、大澤悠さん。


 それにしても小泉さん、熊本までラーメン食べに行ったりするんですね。この分だと、「みんなで北海道の味噌ラーメン食べに行こう!」みたいなイベントも期待できそうです。思い切って台湾とか?

 

小泉さんはいつデレるのか?」という大きな注目点はもちろん(そんな日が来るのでしょうか……)、「美沙と小泉さんの確執」とか「潤のラーメン嫌いの理由と、その解消」とか、様々な方向性が期待できそうなアニメ作品です。

 観るぜ毎週、ラーメン食べながらっ。