『わかばガール』 第十四話「温泉つかりたい」(テレビ未放送)


萌子「いらっ」

真魚「しゃいっ」

若葉「ませー!!」

 


 メイド服。

 

 それは、誰もが憧れる至高のコスプレ。
 男女を問わず誘惑する衣装に身を包み、お出迎えの挨拶を唱和するわかばガールズですが、直さんの姿が見当たりません。

直「くっ……。どうして、こんなことに…………!?

 あ、いた。
 いましたよ直さん。壁に隠れつつ白目剥いてガクブル中、のっけから残念臭が強いご登場ですが、ボクっ娘+メイド服」だと……っ!?


萌子「ヒュー! 柴さん超萌えるぅー!」
直「黙れっ!!」


 彼女たちの身に、一体何があったのでしょう。

 

 


 数日前。

萌子「ねえねえ! 今年のGWは、どこか遊びに行かない?」
真魚「いいっすねぇ~」
直「私は温泉で日頃の疲れを癒したいなー……。泊まりで」
若葉「お友達とお泊りっ!?」

 2年生になった若葉ちゃん、相変わらず「普通の女の子」を満喫しています。若干1名、三十代っぽい意見が混じってますが。


 しかし、泊まりとなると問題になるのは「お金」。若葉ちゃんが全額負担してくれるそうですが、そこは萌子がストップです。まぁ高校生がお泊りというのは少々厳しいかもしれませんね。

直「温泉の元で我慢するかぁ……」
萌子「なんでそんなに若者らしさゼロなのっ。お金がなければ働けばいいじゃないっ!!

 こうか は ばつぐんだ!
 若干1名、二次元JKの発言に心を破砕されたヒダマルが画面の向こうにいますが、皆さんは気にせず、引き続き『わかばガール』をお楽しみください。ヒダマルはこれから強めの酒を飲むので。

 

 

 萌子ちゃんはつまり、「みんなでバイトしようよ!」という提案をしているのですね。ファミレスの可愛い服とか興味あったみたい。モエたん……

直「いや、バイトなんて……」
真魚「いいっすねー!」
直「えぇっ!?」
若葉「ギャル店員ってやつですわね~」

 乗り気でない直さんを置いて、多数決という名の暴力に訴える真魚。結果はまぁ、3対1ですな。出来レースですわな。

 

 

 

 時は戻って。
 わかばガールズは、『ハザクラ珈琲店』にてバイトすることになりました。それでみなさんメイド服だったのですね。

 ここは若葉ちゃんのお姉さま、柚葉さんが見つけてくれたバイト先だそうです。お嬢様の貴重な社会経験ですからね。妹想いのお姉さんです。ちょっと息がかかってそうな予感はありますが……
 柴さんは接客とか苦手みたいですが、これも経験だ。目上の人にガチガチになっちゃう体質はどげんかせんといきませんし。

 

 お、店の奥から誰か出てきました。ゲストキャラの上司さんですかね。お揃いのメイド服を着た女性で、眼鏡をかけた、黒髪ロングの、


???「どうも。店長…………、ですわ」


 お嬢様言葉、の……?

真魚「あれ? この人確か……」
萌子「若葉ちゃんのお姉ちゃんだよね……?」

若葉「よろしくお願いしますわ(ぺこり)」

直「気付いてないっ!?」


 ばいきんまんの変装くらい雑なキャラ付けを見抜けない若葉ちゃんです。
 そして同時に、直が発見しました。店内に掛けられた絵画、そこに描かれているのは「小橋若葉」。
 まさかこの店……ッ?

真魚「この日の為に用意したっすか……!?」
直「ヤラセじゃねぇかっ!?」

 息がかかってるとかゆーレベルじゃなかったッ!!


 しかし、実はこのお店は「柚葉さんが趣味でやっている店」なのだとか。お母さまも、娘の初めての労働をこっそり見届けに来ています。『さくら』の知世ちゃんばりに隠れてカメラ回してます。結局ヤラセな気もします。

 


若葉「お帰りなさいませ、ご主人様っ。 ご飯にします? それとも、オムライスにします?」

 キラキラ笑顔で接客練習をする若葉ちゃん。ここはメイド喫茶ではないんですが(服はめっちゃメイドですが)、

柚葉「満点ですわっ」

 激甘だ。

 

 

 

 初のお客様がやってきました。仲間に緊張が走ります。
 若葉ちゃんは率先してお水を持って行こうとしますが、一歩踏み出す度にコップを落としています。


 モエたんは厨房に入りました。
 先輩からパフェの作り方を教わりますが、

店員「まず生クリームを入れて、次にこのシロップを……」
萌子「出来ましたー!!」

 時を止めるスタンドの如き速さで完成っ。

 

 真魚は普段のノリで接客中です。
 オムライスにケチャップで文字を書くサービス中だそうですが、ぜったいメイド喫茶ですよねここ?
 鼻歌を歌いつつケチャップを捌く真魚さんですが、

萌子「なんで私の名前なのッ!?」
真魚「声がしたからつい……」

 知らん人の名前が書かれたオムライス食べづらい説。

 

 直たんは陰に隠れてガクブルしてますが、バイトに来たのですからいつまでも甘えていられません。
 意を決して接客に向かいますが、

 

 胸躍る音楽っ! きらびやかな背景っ!
 健やかな身体のシルエット!
 舞い散る光が弾ける度に、ブーツやリボンが具現化されて行きますっ!!

 仕上げは、魔法のステッキ!!
 これぞ日本が世界に誇るコンテンツ――、魔法少女』ッ!!

 

バイト初日のボクだけどっ! 美味しくなるよう、魔法をかけちゃう~~!!

 


萌え萌え~~っ、きゅーんっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 


萌子「柴さん、何もそこまでやらなくても……」
真魚「オタクの血が騒いだっすよ……」

 バックヤードで石化する直たんでした。
 あ、砕けた。

 

 

 

 やっとお水をこぼさず運べるようになってきた若葉ちゃん。まだルンバみたいな速度しか出ませんが、これも成長ですよ。

 そして、女子高生の来店に鋭く反応(ギャル女子高生ですわっ by若葉)。
 奥の席に着いた彼女に、萌子が注文を取るものの、

ギャル「じゃあ、パンケーキとレモンティーを」
若葉「私も同じもので……」

 アナタが注文してどうする。

 

 レジ担当に収まった直さんと若葉ちゃん。
 先ほどのギャルに「美味しかった~。ありがとう」と伝えられ、感激します。

若葉ギャルに喜んで頂けましたわ……っ! 私、幸せです……!!

 うんうん。
 仕事とは、人を喜ばせる事。楽しい時間や便利な物を提供し、その対価としてお金を頂くのです。これぞ労働。
 働くことの醍醐味の一端を味わったお嬢様でしたが、

若葉「これ、ほんの気持ちですが……」

 アナタが払ってどうする。

 

 

 


 夕暮れ。

萌子「はぁ~、疲れた~……」
直「温泉つかりたい……」

 初めてのバイトでくたくたですね。慣れないことって疲れるもんです。しかしほらっ、柚葉さんからのご褒美が待ってますよっ。
 今日のバイト代が入った茶封筒を渡される面々。
 中身は、

 札束。

 厚みは3センチくらい。
 時給は保育士の月収の2.5倍くらいかなぁあっはっは。


 しかし、流石にこれは、返却っ……

 なんて良識ある女子高生たちでしょう。昔話なら大金持ちになるタイプですよ。
 一方で、

若葉「初めてのアルバイトに、初めてのお給料……。働くって、素晴らしいですわね~」

 うぅん、もう若葉ちゃんはこれで良いか……。まぁ頑張ったし、出来レースだし……。

 

 

 食卓を囲みながら、バイトでの出来事を家族に話す若葉ちゃん。よほど楽しかったのでしょう。や、お姉ちゃんは一緒に働いてたし、お母さまはカメラに収めてたんですけどね。


 しかし、満足できない方が1人。

母(ああ、若葉が働く姿を、もっと近くで見たい……。隠れてこっそり見ているなんてもうイヤ……!

(こうなったら……!!)

 

 

 ハザクラ珈琲店。
 眼鏡なメイド姿の柚葉さんの隣に、同じく眼鏡なメイド姿の女性が立ってます。

柚葉「新人ですわ」

(((お母さんまでーーっ!?)))

若葉「よろしくお願いしますわ(ぺこり)」

直「気付いてない……」


 なにはともあれ。
 ガールズ、頑張った。

 

 

 

 BD第二巻に収録の、テレビ未放送回でした。
 サブタイトルを見て温泉回を期待した不純なそこのあなた、ヒダマルも同じだから自分を嫌いにならないで。

 その代わり、4人(+2人)のメイド姿を堪能できますよ。直たんの魔法少女姿も。ちょっと『ごちうさ』っぽかったかな?