『ゆるキャン△』 第九話「なでしこナビと湯けむりの夜」


「試験休みにキャンプ!? うん、いくいくっ!」

 年の瀬も近づいたゆるキャン△ワールドで、キャンプ計画を話し合うリンとなでしこ。

リン「南部町にある、川辺のキャンプ場なんだけど。自転車で行ける距離のとこ」

次は私から誘うよ」と言ってましたもんね、リンちゃん。約束を果たした形です。
 これは二人とも、楽しみだ。

 

 

 


 翌日の、夜。


『リンぢゃん~~!! 風引いた~~っ!!』


 なでしこ、不覚った。

 昨晩、「この近くにもキャンプ場あったんだぁ……」とか考えつつ夜風にあたったりするから。アニメの画的な部分に配慮して部屋に入らないから。

 みなさんも、「もう3月かぁ。暖かくなったなぁ……」とか呟いてフラグ立てないように気をつけましょうね。三寒四温ですからね。くしゅん。

 


 ともかく、身体が資本。
 リンちゃん怒ったりしてませんから、

「謝らなくていいって。キャンプはまた今度にすればい
『ううんっ、私に構わずキャンプ行って! 私の屍を乗り越えてぇ~!』
「おい、死ぬな」

 うん、生きて。
 あなたが死んじゃうと、最近のアニメはキャンプサバイバルミステリーホラー(ゾンビ物)とかに路線変更しそうだから。『ガチキャン☠』になっちゃうから。

 

 

 

 なでしこはリタイアしましたが、彼女に気を使ってキャンプを中止するというのも、逆に気を遣わせそうです。

リン「ま、いいや。気になるキャンプ場もあったし」

 そう、リンちゃんはソロキャンパーの申し子ですからね。一人だって十分楽しめますとも。
 既に目を付けているキャンプ場だってホラ、

 

リ「片道150キロ……。高ボッチの時と同じくらい。遠いなー……」

 

 リンちゃん?
 お爺様の血統を受け継ぎすぎてやしませんか? あなたはジョセフ・ジョースターですか?

 

 

 それにしても、遠いですね長野。直線距離だと遥かに近いのですが、

 山梨と長野南部の間には、南アルプスが南北へ伸びているので、伊那方面へ行くには諏訪まで迂回する必要があるのです(大塚明夫さん、今回もお世話になります)。


 しかし、鍛えられたシマリンアイは、地図に記された近道を発見するのです。

リ「120キロ!? すごい……30キロも近道出来る。山越えだけど……」

 

 


 ……と、いう訳で。

 今日のリンちゃんは「私の屍を越えて行けキャンプ」を実行するために、原付で長野へ向かっているのです。

 時刻は早朝。

 南アルプス市に、入りました。

 

 

 


 もぞもぞ。

 朝、布団から顔を覗かせるなでしこ。熱を測ってみると、「36.8」と表示されました。体温計の気まぐれでなければ、熱はかなり下がってます。

なでしこ「風邪……、治っちゃった……」

 と、なると。

「ハッ!? まだ7時前っ、今から連絡すれば、リンちゃんとキャ~~

 

 ズグシッ。

 

 なでしこの後頭部に、桜お姉さまのアイアンクローがガッチリ。じたばた。

桜「ダメに決まってるでしょ」
な「うぅ~」

 ですよねぇ。
 リンちゃんにうつるしね。今日は大人しくしとくのが吉です。

 

 


 一方その頃。
 なでしこ復活の報せを受けたシマリンですが、もちろん予定は変わりません。なでしこにちゃんと寝てるように釘を刺し、向かうは長野・上伊那。

 ……えっ。
 OPのイントロ入りましたっ!! ここでっ!?

 今日はOPナシかとは思ってたけど……、やるなぁ『ゆるキャン△』……。このアニメ、音楽の使い方がほんっとうまいんですよ。楽曲自体も魅力的ですが。


 亜咲花さんの歌う『SHINY DAYS』に乗せて、吠えてくる犬に(やんのかぁ? てめぇ……)とメンチを切ったり、(夜叉神峠ってすげぇ名前だな……)と感想したり、(こっち選んで正解だったな。雪はまったく積もってないし)とか考えたりしながら、リンちゃんの原付の旅が描写されて行きます。うむ、旅情。


(これは予定より早く着いて、ゆっくり色々見てまわれるかもしれ

 

 

   通  行  止

 

 

 リンちゃん、残念っ。
 OPもサビの直前だったのに、すっぱり止まっちゃいました。何度も言いますが、このアニメ、曲の使い方が抜群です。ヒダマル的には、今季イチ。

 

 

 

 山間部の冬季通行止め。
 これは事前に調べておくべきでしたね。やっぱり、急な予定変更で向かう距離じゃないですって。

 運よく動いてた自販機に感謝しながら、一休みするシマリンです。

(わざわざ寒い日に出かけて、温かい飲み物で温まる。これもマッチポンプの一種なんだろうか……)

 ですね、もうネタが増えたと思うしかありませんよね。前向きに行きましょう。

 

 ところで、こんなところに何台も車が停まっています。登山客のものですね。『ヤマノススメ』の方々ですね。

 

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル


 登山口の近くも見てみるリンですが、

  10月28日熊の目撃
  情報あり、御注意
  願います。
        南アルプス市

 ヤなこと聞きました。


(こぉわっ……。登山する人は怖くないのか……)

 リンちゃんよ、本当に怖いのはね、熊より人ですよ。しかもね、人はね、そこらへんにうじゃうじゃいますからね。それも年中。
 このアニメ観てる人は、実はその辺かなり心配してますから。気をつけてね。

 

 

「おはようございます」

 びくっ。
 熊に警戒してたリンちゃん、不意を突かれてちょっとビックリ。登山口近くのベンチで休んでたお姉さんが、声をかけたのです。

 彼女も登山客だそうですが、曰く、この峠はマイカー規制で年中通行止めなんだとか。
 マイカー規制……?
 うん、こんな時は、大塚明夫さんを呼びましょうか。


 マイカー規制区間。
 観光地の環境保全のため、自家用車の通行を禁止し、代わりにシャトルバスなどを運航している区間のこと(大塚ボイス)。

(じゃあ、いつ来ても原付じゃ通れなかった訳か……)

 結局でしたね。

 

 

 山ガールお姉さんと、冬のアウトドアを語り合うリン。
この時期は空いていて良い」という点で意見が一致しましたが、だからねリンちゃん、お姉さんも。一番怖いのは人間で、更にその怖さが最大化される環境は「人気のない場所」なんですってば。その辺の対策はしっかり考えましょうね?

 


 お姉さんのご友人が到着し、お二人は登山へ。

 登山口での別れ際、「夜はかなり冷えますので」と、身体を温める効果のある「ほうじ茶」を渡されました。

 うわー、これもう、ラスト近くで一発逆転の金星を収めるための伏線ですよゼッタイ。それか、銃で撃たれて「なんじゃこりゃぁっ」な場面になって、実はほうじ茶が銃弾を受け止めてくれてるパターンですよゼッタイ。

 右の方が、ほうじ茶をくれたお姉さんです。いってらっしゃい。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル

 

(行き当たりばったりも、旅の楽しみ方か……)

(それじゃっ。仕切り直して……!)


(いざ! 長野……っ!!)

 

 

 

 

 

 絶賛病み上がりのなでしこですが、体調は良いみたいでヒマそうです。
 リンが間違えて通行止めの道を選んでしまったことを知り、ぴこんと閃きました。通話アプリでご提案、第九話のサブタイトルにもなっている、


《リンちゃんがもう道に迷わないように、私がこれから、ナビしますっ!!(`・ω・´)ゞ》

《いや、間違えそうな道もう無いから大丈夫》


 サブタイトル変更の危機。
 関係各所に大迷惑な予感。
 あ、ここから《》内の会話は通話アプリのものだと捉えてください。


な《一緒にキャンプ行ってる気になれて、いいと思ったんだけどなぁ……》

 落ち込んだ様子のなでしこに、リンは使命を与えます。

リ《分かった。じゃあ伊那と駒ケ岳のスポット調べてナビしてよ》
リ《昨日調べる前に寝ちゃったから》

 よしきた。
 なでしこ、布団の中で張り切ってます。

 

 

 そんなわけで、なでしこナビが始まりました。目的地周辺の観光スポットをご紹介です。

な《まずその①!! きのこ帝国ゥ!!》
リ《き、きのこ帝国!?》

 森でキノコ狩りしたり、色々なキノコ料理が食べられるそうです。健康に良さそうです。キノコレンジャーショーもやってるそうです。


 その②。

な《千畳敷カーーール!!》
リ《あ、そこは聞いたことある》

 景色がスゴイみたい。あと動物が色々います。でもゴリラはいません。


《あと、ロープウェイだから結構お金かかりまっせー?》
《バスと合わせて往復4000円でっせぇー!?》

 あれ、なでしこさん、声変わった? 風邪気味だからかな? そして、その絡み辛い感じの口調はもしかして……?


リン《おい、お前なでしこじゃないだろ》

 不信に思ったリンちゃんが、問い質すと。

《クク……。気づいたようだな》

 

《なでしこは私が預かった! 返してほしくば、私の言うとおり旅を続けるのだぁ!》

 

 

 

(大垣千明……。苦手なんだよなぁこいつ……)

 乱入者の登場に、困り顔のシマリンです。そういえば、ここまでほぼ接点なかったっけ。犬山あおいちゃんと並んで、話したことすら無いような。

な《と、いうわけで。こっからはあきちゃんと2人体制でお送りしまーす!》
リ《もう好きにしろよ》

 あ、ぶん投げた。

 

 なでしこナビによる情報、「アウトドア雑貨を売ってる薪ストーブ屋」と、「わんこが祭られている神社」に寄ってみることに決めました。千明は「きのこ帝国」の情報をくれましたが、うん、それさっき聞いた。

 

 

 

 

 千明ちゃん、なでしこへのお見舞い品として、「ほうとう」を持って来てくれました。山梨名物ですっけ。

千明「おめぇ、食ったことねぇって言ってたろ……? 全快したら母ちゃんにでも作ってもらいなっ!(グッ)

肉、食うかい」がそんなに気に入ったのでしょうか。誰かに食べ物を与えるカッコよさに目覚めたみたいです。アンパンマンです。
 ここで決まったつもりの野クル部リーダーでしたが、

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル

 

「けほ、けほ、けほ」

 なでしこ、口でけほけほ言って。

「あきちゃんの作ったほうとうが食べてみたいなー……」

 

 

 

 

 千明ちゃん、各務原家のキッチンを借りて、レッツクッキング。
 なでしこは梨っ子の千明が作る本場のほうとうを期待してますが、まぁ麺の裏に作り方書いてありますし、「適当に切って煮てみっかぁ」くらいな感覚で料理を始めます。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル


 そこへ、

「ただいまー」
「お、お母さんお帰りー」
「あら、なにか作ってるの?」
「梨っ子あきちゃんが、本場のほうとう作ってくれるんだってー!」

 なんだ。
 この流れはなんだ。

母「そういえばまだ、ほうとう作ったことなかったわねー」
な「食べたことないから楽しみだねー」
母「そうねー」


千明(あれ? なでしこ母の分も作ることになってないか……?)


 なってますね。流れでね。

 

 そこへ、

「いやぁー。よく寝たぁっ」
「あ、お父さんおはよー。風邪うつしちゃってごめんねー」
「はっはっはぁ。いやぁおかげで昼のバラエティが見放題だっ。おや。何か作ってるのか?」
「いま、梨っ子あきちゃんが、本場の絶品ほうとう作ってるんだよー!」

「絶品」て付いちゃったッ!?

父「おおーほうとうかぁ! 会社の人に聞いたんだけどなー? 地元の人が家で作るほうとうは、どろどろしててお店のヤツとはまた違ったうまさがあるらしいぞぉっ!?


「「「楽しみだねーっ!!」」」

 

 

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル

(気付いたら、一家全員分作ることになっとるがなぁッ!?)


 あきちゃん、ピンチ。

(どうする? ハードル上がったこの状況で、適当なもん出していいのかぁ……ッ!?)

 もはや状況は四面楚歌。立場は山梨県民代表。「切って煮てみっかぁ」とか呑気に構えてられません。


(いや待てっ、私だって山梨県民! 県民の本能が、本物のほうとうの味を知っているはずっ!!)

 追い詰められてこそ覚醒する、大垣千明の中に眠る何かが、いまッ!!


(私にだって、本場の激うまほうとうがつくれるはずだぁーーッ!!)


 目覚めるのかッ!?
 目覚めちゃうというのかぁッ!?

 

 

 すちゃ。

 キッチンにスマホを置いて、プロのレシピを参照。うん、安全策を選んだっていいじゃない。代表だもの。

桜「だたいまー。なに作ってんのー?」

千明(また増えてるしっ!)

 

 

 


 リンちゃんは、噂のわんこ寺に到着。
 うん、わんこが祭られてますね。「いー」してます。

(いかつい系だったか……。まぁお寺だしな)


 と、再びなでしこから連絡が。
 千明部長の作ったほうとうを食べるそうです。

(なかなかうまそうだ。……やるじゃん、大垣)

 

 

 各務原家の構成員が、ずるずるとほうとうを啜っています。はふはふ、もぐもぐ。えーと、これは『ラーメン大好き小泉さん』だったかな?
 汁まで飲んで、

「おいしいっ! もちもちしてうどんとは別の食べ物だよぉっ!!」

 千明ちゃん、ひと安心。(あたしすげー)とご満悦。
 しかし、約一名、どんよりと顔をしかめている方がいます。桜お姉さまです。


千(怒ってる……!? なにか気に障ることでも……っ)
桜「千明ちゃん……、これ……」
千「はっ、はいっ」

桜「めちゃくちゃうまいわね……。あとでレシピ教えて?」

千(うまいんかいっ)

 

 

 

 リンちゃん、温泉に入ってます。しかも露天風呂。

(寒い日にわざわざ出かけて温泉で温まる……。マッチポンプマッチポンプ……)

 いいな、マッチポンプ……

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル


 シマリンの昼ごはんは、「伊那名物・ローメン」VS「駒ケ岳名物・ソースかつ丼」の戦いとなりました。いえ、なでしこと千明が外野で騒いでるだけで、ご本人は温泉効果でぼんやりしてますが。

 

 

 

 

 仲良く喧嘩してたなでしこと千明の元には、斉藤恵奈さんから一報が入りました。彼女、クリスマスキャンプ参加するそうです。愛犬・ちくわも来ますよね。

「ますます楽しみになって来たねっ!」
「だなー。まだなんも準備してねぇけど」

「あきちゃん」
「ん?」

「今回は、リンちゃんも誘ってみようよっ」

 

 

 

 

(うまい……! ソースの染みたしっとりカツが、ご飯とキャベツにめちゃくちゃ合うぞ……っ!)

 リンちゃん、ソースかつ丼を選択。駒ケ岳ですから。

(普通のとんかつソースより、まろやかで甘い……。駒ヶ根のソースかつ丼は、大きなカツが売りらしいけど、私はこのくらいで丁度いいかな。サラダと味噌汁も付いてくるし……)

 というかね、もうね、この作品、キャンプアニメじゃなくってグルメアニメですよね? リンちゃんの食レポ完璧すぎますって。なにこのお役立ち情報。

 

 

 

 

 

 ふと。

「あぁ……。やば、寝てた……」

 まぶたを開けると。


 窓の外、まっくら。


 時計、5:17。


(思いっきり寝過ごしたぁーーっ!!)

 リンちゃん、不覚った。

 

 

 

 

 


 いや、もう、疲れた。

 今回、かなりヒダマル泣かせな演出・構成でした。初見で観ながら「これどうすんの。どうやって文章にするの」と悩んでました。

 通話アプリっぽい会話は背後の映像があって成り立つものですし、主観がコロコロ変わる電話シーンなんて小説ではあり得ませんからね。ちょくちょく構成いじらないとやってられませんでした。早太郎くんごめんね。
 まぁ、これは大体いつもやってることですけど。

 ヒダマルもマッチポンプしたいー。温泉入ってソースかつ丼レポしたいー。


 次回、「旅下手さんとキャンプ会議」。
 リンちゃんのキャンプの模様と、クリスマスキャンプの作戦会議を同時進行でしょうか。