『ゆるキャン△』 第十話「旅下手さんとキャンプ会議」


(やばいやばいっ、もう5時すぎてる……!)

 前回のラストで、魅惑のソースかつ丼を食べた後に寝過ごしたリンちゃん。急いでキャンプ場へ向かいます。
 辺りは既に真っ暗で、到着予定は18:30。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル


(そうだ、アレ買っとかないと……!)

 ここでアイテム拾わないと後々大変だと思い出し、寄り道するはコンビニです。

 

リン「ジューシー豚まん、ひとつくださいっ」


 ……今日もまた、飯テロな予感。

 

 

 

 

旅下手リンちゃん

 暗い夜道を走りつつ、残る道程を想像するシマリン。あと500mだそうです。目と鼻の先です。

 と、何かに気付いて、急ブレーキ。

 

(ま、)


 原付のヘッドライトが照らすのは。

 通行止めの、柵でした。


(まじかぁ……!!)

 

 泣きっ面に蜂。
 どうする、シマリン……っ!

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル

 

 

 


 各務原家にほうとうをご馳走した千明ちゃんは、まだなでしこと一緒にいました。いいかげん風邪うつるよ。
 クリスマスキャンプの作戦会議をしていると、リンちゃんからの画像付きメッセージが。


《通行止めなうⅡ》


 困窮してますね。
 分かりやすく追い詰められてますね。

  

「リンちゃんが遭難しちゃったらどうしようっ!?」と慌てるなでしこでしたが、野クル部の長・大垣千明は、画像の中に一筋の光明を見出しました。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル

 

 

 

 スマホで迂回ルートを探すリンちゃん。
 29㎞:所要時間3hの道はありましたが、これでは9時を回ってしまいます。もう苦笑いしか出ません。
 しかし、その時。

リ「大垣……?」

 大垣千明からの電話が入りました。

 


千明『あ~シマリン? 電話繋がって良かった~。そこの通行止め、そのまま通れると思うぞ?

 なんと。
 本当だとすれば地獄に仏です。


千『それ多分、置きっぱなしになってるヤツだ』
リ「本当に……?」

 苦手な大垣のアドバイスを疑るリンちゃんですが、ものは試しと進んでみることに。本当に荒れた道だったら危ないので、原付は押します。よいしょ。

 

 

 ……すると。

リ「ホントに抜けられた……っ!」

 キャンプ場、到着。
 とりあえず、危険な野宿は免れそうです。

 

 

 


 まずは、テントを設営します。寝床がなければ始まりませんからね。
 しかし今日は風が強く、シートやらテントやら何から何まで飛ばされてしまってまぁ大変。

 風が強い場所でテントを立てる時は、ペグを打ちつつ、設営していきましょう大塚明夫さん、それリンちゃんに教えてあげて)。

 

 

 風にいじられながら、どうにか設営完了。
 少し高台に移動して、景色を眺めたあとは、ご飯です。

(今日は昼が遅かったから、夜は軽めに……、コレでっ)

 お、新アイテム登場。パンとかを挟んで焼くやつですね。

 

 

(ホットサンドメーカーの両面にバターを塗って、)

(豚まんを挟んで、プレス)

(軽く焦げ目がつくまで焼けば、)


(完成……っ)


 これはまた、美味しそうなB級グルメが出来ました。
 お湯を沸かして、ほうじ茶を淹れれば完璧。山ガールお姉さんに頂いたやつですね。

 

(餃子のタレを少し付けて、)


 はむ。

 もぐもぐ。


(バターのおかげで、表面が揚げたみたいにサクサクだ……!)


 はむ。

 もぐもぐ。


(やばいっ、もう一個買ってくれば良かったかも……)

 

 ……買いに行こうかな、豚まん。

 

 

 


 それにしても、今回のキャンプはさんざんでした。
 近道は通行止めだし寝過ごすし、夜道は通行止め未遂だしテントは飛ばされるし、

(旅、下手だなぁ……、私……)

 リンちゃん、ちょっと落ち込み気味。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル

 

 

 

 ほうじ茶を味わっていると、またスマホが震えました。今度はなでしこから。

?「リンちゃ~んっ。夜景の写真ありがと~!」
リ「……大垣だな?」
千「んっふふ~、よく分かったなぁ~」

 ちょっと面倒なテンションです。

 

 大垣千明ちゃん曰く、先ほどの通行止めは、工事の人が看板を置き忘れていたんだそうです。前に家族で出かけた時、同じようなことがあったんだとか。


千『さっきの写真、通行止めの理由も書いてないし、柵も端に寄ってたから。もしかしてと思ってな?』
リ「なるほど……。とにかく助かった。ありがとう」
千『いいってことよ~』

 苦手な相手にも礼を忘れないリンちゃんです。えらい。
 今まで接点なかっただけに、この会話はじんと来るものがありますね。仲良くなれたかな。

 

 


千「あのさ、」

 ほっこりしたところで、本題。
 ちょっと恥ずかしそうな千明部長の前では、なでしこが応援モードです。「行け!」って顔してます。


千「今度、野クルでクリスマスキャンプすんだけど~……。シマリンも、来ないかっ!? たまにはグルキャンも楽しいと思うぞ?

 千明だって、知っています。
 リンちゃんが、集団を好まないことを。お誘いは、迷惑かもしれないことを。
 それでも、同じキャンプ仲間として、友人を介する仲として、野クル部の部長として。
 勇気を出して、声をかけてみました。


リ『大垣……』
千「シマリン……」

 150キロ離れた場所で、互いの名を呼び合う、志摩リンと大垣千明。
 交わることのなかった二人のキャンプ人生が、

 


『それは遠慮しとく。』

 

 

 交わりませんでした。千明ちゃん、がっくし。

 

 

 


千「やっぱフられた……。頑固なソロキャンガールだぜ……」

 数字の「3」みたいな口で呟く千明ちゃんです。残念。


な「そっかぁ。みんなでキャンプ出来たらって思ってたんだけど。……ちょっと残念」

 なでしこも、残念そうです。

 

 

 

 


 夜景と星空を眺めるシマリン。
 今度は親友・斉藤恵那からの連絡が来ました。忙しいですね。

 ヒダマルはここ半年間ケータイに触っていないというのに。しかも、それで何の不都合も感じていないというのに。

 別に泣いてないですよ。

 


 恵那ちゃんも、野クルのクリスマスキャンプに参加することを知ったリン。それでもなびかないのが彼女の彼女たる所以ですが、

《でも、一回だけ一緒に行ってみない? リンは一人キャンプの方が好きかもだけど》

《みんなでやるキャンプは、違うジャンルの楽しさがあると思うよ?》

《リンちゃん! ボクと一緒に、クリスマスキャンプいこうよ!!(愛犬・ちくわの映像付き)》


 やんわりと説得されました。

 ……最後のヤツ、のこのこ付いてったらいつの間にか魔法少女の熾烈なバトルに巻き込まれてるパターンですよね? そこそこエグい死人が出るパターンですよね? 誰かがマミるんですよね?
(ヒダマルが何を言ってるか分からない方は、近くのオタクに話を振ってみてください。友達になれます。)

 

 

 


千(今度のキャンプ、なでしこと犬子と斉藤の四人か……)

 おみやげに貰った餃子を下げて、夜道を歩く千明ちゃん。よっぽど駅が近いか、家族がその辺に迎えに来てるのでしょう。

(シマリンともちょっと、してみたかったんだけどなぁ。キャンプ)

 星を眺めて歩く彼女のスマホにメッセージが入りました。
 それは、150キロ先、同じ空の下にいる友人から。

 

《やっぱりキャンプ、考えとく》

 

 画面を見て、ちょっとにやけて。

「素直じゃねぇなぁ……」

 あの仏頂面を思い出しながら、白く呟く千明ちゃんでした。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル

 

 

 

 

キャンプ会議

教頭「じゃ、考えといて下さいね。鳥羽先生」
鳥羽「は、はぁ……」

 放課後のチャイムが響く学校で、困り顔の鳥羽先生。黒髪糸目で大人しそうな方ですが、実は酒豪です。
 リンとなでしこは呑兵衛モードの彼女に会ってるんですが、お互いにまだ気付いていません。

 部活の顧問になりそうで、困っているそうです。世知辛い。


リン「さようなら」
鳥羽「はい、さよなら」

 

リ(鳥羽先生、誰かに似てるんだよな……)

 まだ、気付いていません。

 

 

 

 


あおい「お肉……」
な&千(ごくり……)

 同じ頃、野クル部では。


「当たってもうたぁ~~!!」


 犬山あおいちゃんが、「歳末お客様キャンペーン」なる催しの一等賞に当たっていました。
「国産A5等級 黒毛和牛肩ロース肉 2kg」です。最高じゃねぇか。

 


 俄かに盛り上がる野クルメンバー。
 クリスマスキャンプでは、これを使って豪華なキャンプご飯です。あおいちゃん優しい。
 紙吹雪とクラッカーでお肉コールに沸くなでしこと千明でしたが、


あ「ひとり4000円ずつや」

「「!?」」

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル


「あ、あきちゃん、いくら出せる……?」
「う、ぬぐぐぐ……」
あ「ウソやで~?」

 

 

 

 斉藤さんも加わって、校庭の隅でキャンプ会議。
 場所は富士山周辺ということだけ決まっていますが、

あ「前にあきが下見したトコでええんちゃう?」

 そこは、冬季は閉まっているそうな。やっぱり冬キャンプは需要少ないんですかね。


な「隊長―ッ! おやつはいくらまで
千「好きなだけ持って来てよぉーしッ!!」

 なでしこの脳内メーカーは「食」のみです。

 


 そして千明ちゃんは、バイト代で新兵器を手に入れたのだとか。


千「じゃーんっ! 焚火台だぁーっ!」


 お値段、4,500円。
 これで、直火NGの芝生キャンプ場でも焚火ができますね。始めはこみこみ30,000円の焚火台セットをネット注文しかけたのですが、

千「ポチろうした瞬間に鼻血が出てな」
あ「高すぎて身体が拒絶反応起こしたんか……」

 

 


 ところで、斉藤さんはシュラフを持ってないので日帰りキャンプの予定でしたが、泊まりに変更したそうです。いい経験になるからと、お父様が出資してくれたんだとか。
寒いの苦手だから、これにしたんだけど」と見せた画像は、


千「45,000円ッ!?」


 本格登山用のヤツ。
 マイナス18℃まで耐えられるヤツ。

 あ、あきちゃん鼻血。

 

 

 

 

 一方、シマリンの生息地・図書室では、


な《リンちゃん、キャンプ場どこかいいとこないかな? なかなか決まらなくて。富士山見えたら嬉しいんだけどっ》
あ《あと、できれば芝生のとこで》
恵《近くに温泉もあるといいなぁ~》

 うざい注文が殺到していました。
 思い出したのは、バイクにまたがったダンディな背中。お爺様ですね。ちょっくら相談してみましょう。

 

 


 千明部長の焚火台で、早速にコーヒーを淹れてみる四人。

恵「ねぇ。クリスマスっぽいといえば、プレゼント交換やらないの?」

 痛いトコを突かれました。
 なでしこはお金ないし、あおいちゃんはバイト代入ってませんし、

千「斉藤。本当のクリスマスプレゼントはな、みんなの心の中にあるものなんだぜ……?」

 千明ちゃん。
 そーゆートコが、シマリンにウザがられるんだぜ……?

 


 お金のない面々は、それぞれが「おもてなし」し合うという塩梅になりました。あおいちゃんは晩ごはんをご馳走、なでしこは朝ごはんを担当するのです。
 リンちゃん&恵那ちゃんは何するんでしょうか。

 

 

 


 部活の顧問になれば、お酒を飲みながら海外ドラマを見る時間がなくなることを懸念する鳥羽先生。
 ふと見た先に、校庭で焚火している連中が目に留まりました。

 注意しに行ったところ、登山部の大町先生に許可は取ってるそうな。

 

 その大町先生に確認してみると、「最初のうちは自分が指導したし、大丈夫」とのこと。しかし不安は残ります。

大町「あ、そうだっ。いっそ、鳥羽先生が監督されたらどうです?」
鳥羽「え」

大町「確か先生、まだフリーでしたよねっ」
鳥羽「あぁ、あの、」

千明「えっ。先生が顧問やってくれるんですかぁっ!?(キラキラ)」
鳥羽「へっ」


 あれよあれよという間に話が進み、

鳥羽(ヤ……、ヤブヘビ……)

 顧問に就任と相成りましたとさ。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒあfろ・芳文社/野外活動サークル

 

 

 

 校庭に戻って、野クル部の活動を説明する千明部長。
 先生は、あまり忙しそうな部活でないことに安堵しています。

鳥(それに、キャンプなら少しは……)

 心得がある、のかな?

 

 ちなみにキャンプの場所は、リンちゃん(のお爺様)が教えてくれた「朝霧高原」に決定しました。

鳥(朝霧だったら……、)


「……ベーコンとビールよね」


 先生、口に出ちゃった。
「ビール」という単語に反応したのは、各務原家のなでしこちゃん。
 先生と撮った写真に、斉藤さんのスマホペンで落書きしてみます。

な「ここをこうして、黒いフードをこうごにょごにょ……。そんで、眼鏡とビールを描けば……、」


「あ~~っ!?」

 

 

 

《酔っぱらいのお姉さんだ!!》

リン「……あ。そうか」

 正体、バレました。

 

 

 

あとがき。

 正体が判明した鳥羽先生でしたが、意外としっかりした人ですね。「教育実習では評判良かった」というのは嘘ではなさそうです。
「ハリウッドザコシショウによる古畑任三郎の物まね」みたいな口調になるのは、お酒が入った時だけみたいでなにより。


 次回、「クリキャン!!」。
 クリスマスキャンプで二週使うラストでしょうか? 一気に大所帯となったキャンプ、楽しみです。

 各キャラの絡みを、今から存分に妄想しときましょう。