『ラーメン大好き小泉さん』 第十一話「おいしいラーメン」「大阪」

おいしいラーメン

 家庭科室にて、寸胴をかき回す大澤悠。

悠「う~ん、もう少し甘かった気がする……」

 うん、ラーメンを作ってますね。学校で。スープから手作りで。
 背後には、何杯もの試食に付き合わされてお腹ぱんぱんマンな美沙と潤がいます。

 

 

 幼稚園児の頃に大阪で食べた、思い出の味なラーメン。
 それを再現して、うまいこと小泉さんを籠絡しようという策を弄しているのです。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 

 そこそこ美味しいラーメンは作れるみたいですが(スゴイ。)、思い出の味に至るには何かが足りない模様。
 通話アプリでお兄ちゃんに訊ねてみますが、帰って来たのは、

 


《あー、あれは》

 

《おいしいラーメンだ》

 


 お兄ちゃん、アテになりません。

 自力で思い出すことにして、記憶の底を漁る悠さんですが、

悠「なんか葉物の野菜と、細かい肉が入ってて……。そんで、スープはすき焼き? みたいな優しい甘みがあって……、とにかく、薄味ではなかった」

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会


「とにかく、おいしいラーメンだった!」


 兄と同じ結論に達する妹。
 その血の運命か。クセの強いイントロが流れてくるのか。

 

 

 

 悠が煮詰まっていると(誤用)、

 ぽつり、と。


「……おいしいラーメン」


 小泉さんが、顔を覗かせました。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 

小泉さん「失礼。別に特に用はないのですが……、廊下を歩いていたら、ラーメンの匂いがしたもので

美沙「うわ、マジでホイホイされてるし……」
潤「あはは……」

 

 


 悠の特製ラーメンを頂く小泉さん。
 未完成とはいえ、なかなか美味しかったみたいです。悠さん報われた。

小「ところで、先ほどから話している、これの元になったラーメンですが……。おそらく、」


「おいしいラーメンでは?」

 

 大澤兄妹と同じ結論を出す小泉さん。
 どうした、アナタも血統に連なる者なのか。

 

 

 

 

 小泉さんの言う「おいしいラーメン」の店に案内された悠。
 本店は道頓堀にあるそうですが、東京にも支店があるそうです。……というか、今回は悠が普通に小泉さんと仲良くしてますね。前回は土下座してたのに。


 歌舞伎町にあるお洒落なラーメン屋に、その一杯はありました。その名も、「おいしいラーメン」。

悠「まさか、そのままメニュー名が「おいしいラーメン」だったとは……。お兄ちゃんにゴメンって送っとこう……


 幼い頃に食べた味、感じた香りに再開し、感動する悠さんでした。

 

 

 


悠と「おいしいラーメン」を食べた、その翌日。

小「……西に行くのも、久しぶりですね」

 大阪行きの切符を片手に、そう呟いた小泉さんでした。


 ……本場で食べたくなっちゃったみたいです。この行動力。

 

 

 

大坂

 夜。

 雨の大阪。


 胡乱気な顔で、ラーメンを見つめる一人の女性。

 

 彼女と同じ空間には、美味しそうにラーメンを啜る、金髪の女子高生がいました。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 

 

 

 

 翌日。

 お天気な道頓堀。


 迷惑そうな顔で佇む、小泉さん。

 彼女の前には、くねくねした動きでしつこくナンパしてくる大阪弁コンビがいました。ひとりは、タンクトップにマスラー装備です。

 ……これ、大阪の人怒らないかな。


 ちなみに、この道頓堀戎橋はナンパの名所であることから、「ひっかけ橋」とも呼ばれているのだとか(『ひだまりスケッチ』9巻より)

 小泉さん、これでは前に進めません。 

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒ鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 


 彼女が困っていたところ、大阪弁のお姉さんが助けに入ってくれました。

 この黒髪お姉さんは、昨晩、小泉さんと同じラーメン屋にいた方です。昨日は小泉さんを見ていましたし、何か惹かれるものがあったのかもしれません。
 小泉さんが、関東からラーメンを食べにやってきたことを聞くや、

 

いやいやいや。地元民が言うのもアレやけど、大阪のラーメンてイマイチピンと来ぇへんけど。ご当地麺的なもんもないし、わざわざ関東から来るほど?

 

 小泉さんホイホイなフラグを立ててくれました。

 

 

小「とんでもない」


「大阪のラーメンは、今確実に来てます。安定の老舗はもちろん、近年は勢いのある進展が続々と出て来ています。先ほど、「ご当地麺はない」と仰いましたが、高井田系というジャンルが存在します。昨晩の中華そばもその系統で、その濃い醤油味から更に発展した「大阪ブラック」は、特に私のお気に入りでして、」

 

 

 長い。

 あっけにとられるお姉さんです。

 

 


「それでは、今日で大阪最終日なので」と言い残し、立ち去ろうとする小泉さん。しかし、再びナンパコンビに絡まれて、同じ流れで救出されます。

 お姉さんの名は、「絢音」
 今日一日、小泉さんのボディーガードをする代わり、彼女のラーメン屋巡りに同行させてもらうことになりました。
 小泉さんは嫌々ながら、背に腹は代えられません。このままじゃ一歩も前に進めませんし。

 

 そうと決まれば、「仲良くしてなぁ~っ?」とぺたぺたくっついてくる絢音お姉さま。
 まるでどこかのストーカーみたいです。

絢音「いやぁ~、ごめんなぁ。大阪の美味いラーメンとやらを食べてみたいし。うちも、今日で最後やから」

 

 

 

 昼だけで四杯食べた、小泉さんと絢音さん。
 小泉さんは、更にたこ焼きを食べてます。この人がラーメン以外のものを食べている姿って、初じゃなかろうか……?


 戎橋の上を歩きつつ、身の上話に入る絢音さん。
 彼女、最近仕事を辞めたんだそうな。

絢「好きなことを仕事にしとったんやけど、色々しんどくなってなぁ……」


 明日からは、東京に移って仕事を探すそうです。
 それで、今日が大阪最後の日なんですね。

 

 彼女が、大阪定番の醤油系ラーメンを食べたいと知った小泉さんは。

小「では、次はその店にしましょう。私も食べたくなってきました」

 

 

 


「今日一日ありがとうなっ! はいこれっ」

 小泉さんに、連絡先を書いたメモを渡す絢音さん。そのメモには、彼女のフルネームも記されています。


 大澤絢音。


絢「そうそう。あっちに、小泉ちゃんと同じくらいの従姉妹がおんねん」
小「あの。もしかして、」

絢「今日、うちの引っ越し手伝いに来てくれるんやけど。そろそろこっち着くから、紹介するな?」
小「いえ、あの、」

 嫌な予感しかしない小泉さん。

 


 新大阪駅の改札を通って現れたのは、


「小泉さ~~ん!!」


 ストーカーでした。大澤悠でした。
 やっぱりか。

 

小「では、新幹線の時間ですので」

 颯爽と改札を抜ける小泉さん。
 悠、前乗りさえしとけば、一緒に大阪観光できたのに……!

 

 

 

あとがき。

 ここに来て、新キャラの登場。

 第十一話で出てくる新キャラは、通常ならラスボスや最後の事件に連なる重要な人物なのですが……。そこは『ラーメン大好き小泉さん』ですから、普通に仲間が増えただけみたいですね。

 それにしたって中途半端なタイミングなのは、原作に忠実な構成だから? なのか?

 

 次回、「名古屋」「再会」。
 大阪の次は名古屋ですってよ。名古屋というと……、味噌で煮込んだ系料理しか浮かばない。ラーメンも味噌なのか? 味噌だぎゃか?

 次回も観るぜ、ラーメン(高菜豚骨)食べながら。