『スロウスタート』 第十一話「トマトのまつり」


「ついに夏休みですよぉーーッ!?」

 

 明日から夏休み。
 という事で、赤ランドセル背負って給食袋を提げてアサガオの鉢植えを小脇に抱えてる女子高生は誰でしょう。

 はい、たまちゃんしかいません。


栄依子「小学生か君は……」
たまて「いやぁーっ、丁寧にツッコんで頂いて。仕込んだ甲斐があるってものですなぁ」


 え?

 たまちゃん?

 そのためだけに、アサガオ育ててたの?

 そのためだけに、ランドセル持ってきたの?

 じゃあそのランドセルを、隣の冠ちゃんに渡してみようか?(何の話だ)

 

 

  

トマトのまつり

 さあ、夏休みです。

 友達と会えなくなるのが寂しい花名ちゃんのために、遊ぶ予定はたくさん入れているみたい。今日は早速、神社のお祭りだそうな。

 栄依子さんのスケジュール帳を覗かせてほしいな……

 

 それと、志温さんと大会さんも、花名たちとは別口で行くみたいです。浴衣、着るみたいです。
 ある意味、水着以上のサービス回の予感……!

 

 

 

 まずは、百地のたまちゃん家に集まります。
 最寄り駅で落ち合ったものの、みんな暑さにやられ気味(元気な一名を除く)。その元気さんが、疲労回復アイテムをくれました。

 梅干し。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ篤見惟唯子・芳文社/スロウスタート製作委員会

 しかも手作り。たまちゃん、すごい。

 

 


栄依子「すご~い、日本家屋だ……」
花名「和風だねっ!」
冠「わふー」
たまて「わふぅー!」
栄「わっふー」

 あの、みなさん。
 それは、『風のクロノア』のマネですか?


「「「わっふー!」」」

花「……わ。わふーっ!」

 つられてしまう花名ちゃんです。

 

 


 百地家の長(?)二人のお婆ちゃんとご挨拶。
 たまちゃん、「私の友達はめごい子ばかりですからっ」と自慢気です。

冠「選りすぐりの精鋭っ」
栄「自分で言ってる?」

 

 

 お昼ご飯? のお買い物に出かける四人。
 田舎道を歩いてますが、たまちゃん曰く「インディーズの八百屋さん」があるのだとか。八百屋さんにメジャーデビューとかあったんだ。

 

 到着したのは、直売所
 なるほど、インディーズ。

 農家さんが手塩にかけて育んだお野菜を、直接購入できるのですから、それはもう新鮮でしょうね。ぜったい美味しいヤツですよこれ。料理の腕がなりますね。

 たまちゃん達は、真っ赤なトマトを頂きましたが、ヒダマルはトマト苦手なので遠慮しときます(台無し)

 


 その場で、ひとつ食べてみましょう。

栄「なにこれっ。すっごい甘いっ!」
冠「おいしい……」

 かわいい……


 我らが主人公・花名ちゃんもトマトにかじりつきますが、

 

 

 吐血っ!?

 

 

 どうも、トマトの汁を持て余しちゃう人種みたいですね。猫舌と同じで、テクニックの問題ですね多分。
 あっ、あと、「ラーメンを啜れない」なんかも同じですね。

 

 

 


 お昼ご飯は、たまちゃん特製アクアパッツァ。

た「本当は魚の煮つけを拵えようと思ってたのですが、おいさんにトマトたっくさんオマケしてもらったので、イタリア~~ンッ! にしてみたのですよぉ!」

冠「ボーーノ!」

 急ごしらえでアクアパッツァ作れるとか。この子の料理スキルには嫉妬しますね。

 

 

 たっぷり食べた後は、帯を締めます。

 早速かむちゃんがサービスしてくれましたが、この子のを見るとなんか罪悪感を覚えるので自重して(でも巻き戻すヒダマル)


 お婆ちゃんズに手伝ってもらいますが、たまちゃんが普段口にしている友人への感想が順繰りに暴露されて行きます。
 たまちゃん、恥ずかしいです。借りてきた猫状態です。自分家なのに。

 曰く、栄依子は「気が利く」
 曰く、冠は「かわいい」
 曰く、花名は…………、「すごく面白い」


花「面白……?」
栄&冠「わかる」
花「分かるのっ!?」


 それと、

「すごく優しい子」

 だそうですよ。

 

 

 

 

 

 


「サムアアァァァーーーーッ」

 

 


「ッ」

 

 


「フェスティバァルッ!!」

 

 

 浴衣を着るや、バク中を決めつつ狂乱する女子高生は誰でしょう。

 うん、察してください。

 

栄「テンション更に上がってるわねー」
た「天井知らずですよぉッ!」

冠「たこやきやきそばやきとうもろこし、たこやきやきそばやきとうもろこし、たこやきやきそばやき……」
栄「かむ、呪文みたいになってるから」


た「各々方ッ、行きますぞッ!」

 


「いざッ、出陣ッ!!」

 

 

 

 

みんなのまつり

 夜と夕暮れの間で。

 提灯の灯りに照らされた艶姿で、二人の女性が歩きます。
 一人は胸を張ってにこやかに、もう一人は後ろに隠れて不安気に。

大会「う、うまく擬態できてますか……?」

 この人は、「予備校でキラキラした女子高生が近づいて来た時のためにキラキラに慣れておこう」という予行演習で来ています。えらい。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ篤見惟唯子・芳文社/スロウスタート製作委員会

 

 


 たこ焼きを頬張る冠ちゃん。
 アツアツたこ焼きを二つも口に入れてます。はむはむしてます。はむりちゃんです。

花「強いんだねっ、はむりちゃんっ」
冠「鋼のほっぺた」

 

 そこへやってきたのは、大谷周(あまね)ちゃんと小鹿野真秀(まほ)ちゃん。陸上部のお二人でしたっけ。彼女たちも、お祭りに来ていたのです。

周「あぁ~~っ、浴衣冠ちゃんかわいい~~っ。抱っこしてもいい……!? ちゃんとシャワー浴びてきたから……っ!!」

 ヒダマルの秘めたる想いを代弁してくれる周さん。
 こら、冠ちゃんを怯えさせないの。

 

 

 


「ばんびちゃんっ!」
「たまちゃんっ!」

「「いえ~~いっ!!」」


 元気に共鳴してるのは、たまちゃんと藤井ばんびちゃん。ヒダマルが一話目から目を付けてた猫耳娘ですっ。ばんびて。

 よく見ると、他にもクラスメイトと遭遇してますね。このクラスは祭り好きですね。

 

奈々恵「花壇のミニ向日葵が、もうちょっとで満開なの。今度、見に来てね」
花名「もちろんっ」

 花名ちゃんは、お花を通して仲良くなった高橋奈々恵ちゃんとお話してます。この子は穏やかでいい子だ。これぞ花名ちゃんのお友達だ。


 栄依子さんと話してるのは、清水翠ちゃんと、島田美弥子ちゃんと、久保田あや華ちゃんかな?
 チラッと出てきたモブキャラの名前をどうして知っているかというと、公式サイトに載ってるからです。クラスメイト全員分の名前が紹介されてるので、興味のある方はご一読あれ。

 

slow-start.com

 ちなみに、冠ちゃんは一人でやきそば食べてます。幸せそうなのでそっとしときましょう。

 

 

 

 その他にも、中村千奈美ちゃんに菊池淡雪ちゃん、関根ももかちゃんに松本リオちゃん、堀口素直ちゃんに内田麻理絵ちゃんに遠藤由里ちゃんに増田青ちゃんに、あ、十倉光希ちゃんも発見(栄依子の妹)。

 僅か十数秒の間にどんだけ楽しませてくれるんでしょうかこのアニメ。

 ちなみに、左から順に堀口・内田・遠藤・増田さんです。

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 〈公式サイトより引用〉Ⓒ篤見惟唯子・芳文社/スロウスタート製作委員会

 

 

 

 あ。

 そして、いよいよ。


栄「敬、幸。大丈夫?」


 真打、登場。

 

 

 クラス委員の椿森幸ちゃんが、友人の岩崎敬ちゃんの肩を借りて歩いています。幸ちゃんは浴衣です。黒髪ロングで色白なので、和装が似合ってますね。


敬「つばきちの下駄の鼻緒が切れちゃってさー。千尋にサンダル買いに行ってもらってるんだけどー……」

 友の窮状を知った栄依子さんは、すぐに幸の隣に密着。「大丈夫? 怪我してない?」と支えます。


幸「あ……。ありがとう…………」

 頬を染めて、消え入りそうな声で呟く椿森の幸ちゃん。

 

 

 そこへ、

た「じゃ~んっ!! 応急処置してみましたぁっ!」

 五円玉に布を通して、急ごしらえの鼻緒を作ってくれました。これで、とりあえず履けます。たまちゃん、やりますね。


 さあ、これを履いたらもう大丈夫。
 友人に肩を借りずとも、歩くことができます。

 たまちゃんは、栄依子に肩を借りた幸ちゃんに下駄を勧めます。

た「私のハンカチで申し訳ないのですがぁ。どぞっ!」
幸「でも、汚したらいけないから…………」

た「お気になさらずですよっ。こういう時のために持って来たんですから」
幸「だ、大丈夫……」

た「でも、」

  

「いいから」

  

「あ……。……はい………………」


 たまちゃんを、小声にさせる、椿森。

 

 

 

 


 クラスメイトも粗方出尽くしたところで、

栄依子「せーんせっ」

 そうか、この人も来てたか。担任の榎並先生。今日も、栄依子が作ったネックレスを身に着けてくれています。先生は知りませんけど。


 榎並先生は遊びに来てる訳ではなく(後ろにかき氷を隠し持ってますが)、見回りに来てるのです。学年主任と来てたそうですが、はぐれたふりして置いてきたそうです。

 

 栄依子さんが、持っていたソフトクリームを先生に勧めました。「一口どうぞ」と。この子は榎並先生大好きですからね。まあ何かしら仕掛けてきますよね。お泊りした仲ですし。
 榎並先生、ちょっと迷うも、素直に一口。

た「教師を餌付けする女子高生……」

 浴衣でバク中する女子高生……

 


 先生の口元に残ったソフトクリームを、指で拭ってあげる栄依子さん。しばし指先を眺めて、うん、これはぺろっと舐めて一つ微笑む流れ。微笑みの爆弾投下の流れ。

 しかし、


 はむっ。


栄「っ?」

榎「ああ、悪い。つい」


た「お盛んですなぁ……」
花「な、何が起こったのっ!?」

 行司軍配は、榎並先生に上がりました。物言いはなし。

 

 

 


 射的をして、リンゴ飴を食べて、神社にお参りして。
 祭りの〆は、花火です。

 河川敷で線香花火をつまみつつ、神社でのお願いを発表する面々。
 たまちゃんは、

「世界が平和になりますようにっ! お野菜の値段が高騰しませんようにっ! 限定ライブ当たりますようにっ、これからもみんなで楽しく宜しくやれますようにっ!」

 欲張りさんです。
 でも、この冬はレタス一玉600円以上でしたからね。気持ちは分かる。

 


 栄依子さんと冠ちゃんは「秘密」。ずるい。
 花名ちゃんはというと、

花「お願い事はしてないっていうか……」
た「してない?」
冠「むよく?」

「お礼したの」


「ありがとうございますって」


「今の学校で、みんなと友達になれて、毎日楽しいからっ」

 

 

 感動しちゃうお三方。
 すると、冠ちゃんがすっくと立って。

冠「私もお礼する」
た「……私も行きますっ!」
栄「私もっ」

 走り出すと、瞬間、

 

 打ち上げ花火が、空に咲きました。

 

 

 

 

 

 桜の中の。

 


 ね?

 


 遠回りして、よかったでしょ?

 

 


 栄依子の言葉。


 友達の言葉。

 

 


(うん……。よかった……)

 


(遠回りして、よかったよ……!)

 

 


 夏は。

 夏休みは。


 始まった、ばかりです。

 

 

 

 

 


 ……と、いい雰囲気で終わるかと思いきや。

た「こうしちゃいられませんっ! 我々も対抗しましょーっ!!」

 たまちゃん&かむちゃん、大量の花火を抱えてます。どっから持ってきた。


冠「でっかい花火、打ち上げようぜぃ……?」


 低いっ!?

 冠ちゃんの声が低くてダンディッ!?

 どうした長縄まりあさん(中の人)ッ!?

 

 

 

 

 しゅぼ。


 にょろにょろ……


 にょろにょろにょろにょろ…………………

 

花「ねえ、かむりちゃん……?」
冠「ん~?(まだ低い)」
花「これがでっかい花火なの……」
冠「おうよ(戻った)」

 

 

 

あとがき。

 冠ちゃんが挟んでくるワードのセンス、サービス、サプライズは名脇役。今回の助演女優賞あげたい。
 でもなぁ、クラスメイトの面々も素敵な味出してたしなぁ……! 椿森幸の世界観たるや。「いいから」の破壊力。

 それと、榎並先生VS栄依子さんは、今回も先生の勝利でした。気にしてるのは栄依子だけですが。


 ちなみにヒダマルの地元にも、夏は花火大会があります。何処からともなく、わんさと人がやってきます。一年で最も賑やかになる日です。

 でもなー、ヒダマル、お祭りには良い思い出しかないんですよね。

 だから、なかなか辛いんですよね。

 人間って不思議。