『三ツ星カラーズ』 第十一話「ハイパーかくれんぼ」


へくちっ。……くしゃみでた」

 かわいらしいくしゃみの主は、琴葉ちゃん。

結衣「花粉症だー! 花粉症くしゃみだー!」
琴葉「花粉症くしゃみ違う。普通くしゃみ」

 ゲームのボタンを(多分、意味ないトコで)連打しながら応対する琴ちゃんです。花粉症ってなんとなく否定したくなりますよね。「違うよっ」てね。


 ちなみに、結衣もさっちゃんも花粉症ではないそうです。春先の公園で駄弁ってても問題ないみたい。みんな健康です。

 


 そんな折、


「いきしんっ!」


 なんか盛大なくしゃみが響きました。
 三人がそちらを向くと、

ののか「や。」

 佐々木ののかちゃん。
 実家のパン屋継承を志す、中学生の女の子です。でもパンはまずいです。がんば。

 

 

かふんしょう

 そんなののちゃんが、赤ら顔の真ん中にティッシュを当ててご挨拶。鼻声です。涙目です。
 あ、またくしゃみした。

琴「これは花粉症くしゃみだな」
さ「あははははっ! 本物だー!」
結「ののちゃん花粉症でしょー!」


の「花粉症ちがう。いたって健康、いっぷし!」


 無理のある主張を通そうとするののかちゃん。
 人は、己を客観視することが出来ないのでしょうか。

 


の「なんでみんなあたしを花粉症にしたがるかなー。認めたら負けなんだよ? ほら、「病は気から」っていうでしょ?」

 病は木から。
 うん、花粉症です。

 

 

 


 物知り琴ちゃんによる、「くしゃみを止める裏技」を試してみることに。

琴「くしゃみが出そうになったら、手を挙げろ」

 ビシッ、と手を挙げたところで、裏技を披露するとゆー塩梅ですね。流石は琴ちゃん、頼りになる。

 

 

 腕を広げ、全身で風を浴びるののか。

 その眼前に立ち、合図を待つ琴葉。

 不安そうに見守る結衣と、興味深く見つめるさっちゃん。あとモノクロ大佐。

 

 

 しばしの時が流れ、

 

 

 

 

 

さ「………………………………まだ?」

 

 

 もうちょっと待って。

 

 

 

 

 

 

 むずっ、

 

 ビシッ。

 

琴「ふっ!!」

 


 ズグシッ!!

 


「ドゥッ!?」

 

 

 

「ドゥ……ッ!?」

 


「ドゥ……!?」

 


「ドゥ……」

 


「…………………………えぶっし…………!」

 

 

 

 

 琴葉に強打された腹を抱え、うずくまるののちゃん。

の「う…………。ああ……、い、い…………。ダメじゃん……!
琴「失敗」

 今のは手加減しちゃったそうです。


琴「次は本気でいく」
さ「私も手伝ってやるー!」
結「あ、私もっ!」

の「や、もう……。だいじょうぶ…………」

 カラーズに許しを請うののかちゃん。
 しかし、

 

琴「手が挙がったぞ!」


 ぽこすかぽこすかぽこすかぽこすか。

 

 

 

 


の「花粉症です。認めます。私は、花粉症です…………」

 カラーズにタコなぐりにされて、遂に花粉症であることを自認したののか。

の「もう民間療法に頼ったりしません。すぐお医者さんに行きます。だからもう許してください…………」


結「ののちゃん……!」
さ「頑張ったなー、ののかー!」

 ののかが懇願する様を見て、なんか感動するカラーズ。


結「ののちゃん可哀そう……!」
琴「ののかにしてはよくやった………!」

 みんなで彼女を祝福します。抱きしめます。


の「ううう、う……! わけわからん…………! えぶしっ!!

 

 

 


 散々な目に遭ったののかちゃんは、上野の空にくしゃみを響かせながら帰って行きました。
 その切ない背中を見送りながら、カラーズはある決意をします。

結「敵を打とう、ののちゃんの……!」
琴「うん……!」
さ「花粉をこの街からなくすんだっ!」


「「「この街の木、ぜんぶ引っこ抜こう!!」」」


 まじか。

 

 

 

かたきうち

さ「エクストラァ~、バ~ジ~ン……!」

 とりあえず、その辺にあるのから攻撃します。
 さっちゃんは、必殺技・「エクストラバージンオイル」を発動すべく、気合を入れて木に突撃しますが、

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

 

琴「待ってさっちゃん!」

 琴ちゃんの声で止まりました。
 この木は、桜だったのです。

 


「お花見ができなくなる」という理由で、桜は見逃してやることにしました。
 リーダー・結衣ちゃんの英断により、「桜の木以外の木を引っこ抜く作戦」へと変更されたのです。小学生のフットワーク。

 

 

 

「この木は悪そうだっ!」
「うん、悪そう!」
「うむ」

 ぜったいなんも考えてない会話で、次の標的が決定。


さ「エクストラァ~、バ~ジ~ン……!」


 黄色っ子の必殺技・「エクストラバージンオイル」が、またも火を噴きかけますが、

結「待ってさっちゃん!」

 今度は、結衣が静止しました。
 この木には、ミノムシがいたのです。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

 


 実は絶滅寸前なミノムシの住処は、見逃してやることにしましょう。優しいカラーズです。

 これにより、作戦名は「桜の木とミノムシの木以外の木をぜんぶ引っこ抜く作戦」へと変更されました。要素を付け加えすぎた挙句に漢字が20個くらい並んでもはや何の書類だか分かんない文書みたいです。

 

 

 

 次の標的は、前にタイムカプセルを埋めようとしていた大木。理由は「ボスっぽい」。


さ「エクストラァ~、バ~ジ~ン……!」


 パイナップルの必殺技・「エクストラバージンオイル」が三度炸裂します。


「オイルッ!!」


 ずびし。

 

 

 


さ「~~~~!」
結「血、出た……?」

 大木相手に全力チョップして使い物にならなくなったさっちゃんです。
 琴葉も気合を入れて体当たりしますが、軽く弾き飛ばされました。コイツは強敵ですね。

 こうなったら、全員でかかりましょう。

 

 

 

 

「も……、う……」

 歩きスマホで、たどたどしく文字を打ち込むお姉さん。
 この人は、さっき出てきたののかのお姉ちゃんですね。佐々木ももかです。もか姉です。


ももか「あ、い、ま……、せ……。ん?」

 何かを発見し、不穏な文字列を入力する手を止めたもか姉(恋多き女)
 はい、カラーズが大木と戦ってますね。なにやってんでしょう。

 

 

 

 声をかけてみると、「この木を倒す」のだとか。

も「あぁ~。……修行?
結「修行じゃないよ? 敵取るの!」
琴「ののかの花粉症の敵」


 頑固な妹が花粉症を認めたことに驚くもか姉さんです。
 どうやったのか訊ねると、

琴「ちょっと殴った」
も「殴ったっ!?」
さ「裏技だからなっ、裏技っ!」
も「力技でしょ……?」

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

 

 

 花粉をなくすために木を倒しているカラーズ。
 その後姿にちょっと感謝しつつ、もか姉さん、ある事実を伝えます。

も「それ、杉の木じゃないよ?」


 花粉症の根源は杉の木であることを教えてあげるもか姉さん。しかし、「じゃあ杉の木はどこだっ!?」と問われます。
 何が何でも杉をぜんぶ倒す所存のカラーズを前に、ちょっと面倒になっちゃったももかさんは。


も「この公園には、杉の木はありません」


さ「じゃあ、ののかの花粉症は気のせいってことー?」
も「そう。そうなるねー」

「なるねー」て。
 そんな適当な。

 


も「だから憶えといて?」

 


も「ののは。……嘘つきです

 

 

 

 


さ「待ってろよののかめーー! よくも騙したなーー!」
結「ののちゃんの馬鹿――!」
琴「裏技喰らわしてやるーー!」


 妹を人柱に、公園の木々を守ったもか姉さんでした。
 ののか、グッドラック…………!

 

 

 

 

ハイパーかくれんぼ

さ「でーきたっ」

 結衣の髪形を整えてあげたさっちゃん。頭に二つのお団子が乗っかってます。かわいいです。


 今日はさっちゃんの提案で、「トランシーバーを使ったかくれんぼ」をするそうな。カラーズの訓練日ですね。第二話でやって以来ですね、かくれんぼ。

 各自、トランシーバーの電源をONにしたままでかくれんぼをして、鬼は電波の具合で相手を見つけるのです。さっちゃん、ナイスアイデアです。


さ「これぞっ! 第二回・カラーズかくれんぼ訓練っ! ハイパーかくれんぼ!!」

 おお、なんかカッコイイ。

 

 

 

 ルールは、「前みたいに遠くに行かない」「駅から五分以内」のふたつ。
 さっちゃんは気合十分で、「私の隠れっぷりは、二段階あるからなっ? 難しいぞっ!?」だそうな。持ち込み企画だけあって、よからぬことを企んでますね。

 ちなみに、鬼は結衣ちゃんです。髪型が鬼だからです。それでか。


 それでは、ハイパーかくれんぼ開始。おー。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

 

 

 

 電波の様子を見ながら、上野の街を探します。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

 


 おやじの店を通った際に、トランシーバーの性能もチェックしました。おやじが言うには、電波は30mくらい届くそうな。

 店先で、Xメンに出てくるサイクロプスみたいなグラサンを掛けているのがおやじさんです。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

 


 黄瀬フルーツの前も通りました。おや、斉藤さんがいますね。パトロールという名のサボりですね。
 娘の交友関係を熟知しているお母さんは、優しく訊ねます。

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〈公式サイトより引用〉Ⓒ2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

 

さ母「さっちゃんと琴ちゃんは? 一緒じゃないの?」
結衣「あ、今ね、ハイパーかくれんぼ、」
斉藤「いや。いましたよ。あっちに」

 余計なことを言う斉藤に、慌てる結衣ちゃん。


結「あぁ~~、ダメダメっ! かくれんぼだから、言っちゃダメだよっ、絶対ダメ!」
斉「そうか…………。駅にいた


結「斉藤さんのばかーーっ!!」


斉「だっはっはぁ~! 大人なめんなよっ!? ざまあみろっ!」
母「君ねぇ……」

 いや、斉藤よ、お前は子どもだ。

 

 

 

 

 いま思いついた体で、駅に向かう結衣。
 近づくにつれて、琴葉のゲーム音が聞こえてきます。

琴「流石に駅は簡単すぎたな」

 無事に琴葉を見つけ、合流。
 さっちゃんからは、ケータイで「息ぐるしい」「はやく見つけて」との連絡が来ました。二段階に隠れてるとか言ってましたが、どこで何しているのやら。

 

 


 街を探していると、横断歩道の音をキャッチ。
 近場で青になっている横断歩道に向かうと、

琴「これは……!」
結「チューチューカブリラだ!!」

 家畜の生き血を啜ることで知られる、南米のUMAが行倒れていました。死んでるのでしょうか。


チュ『あ……。やっと来た……』

 喋った。


琴「生きてるっ!」

 飛んだ。


 瀕死のチューチューカブリラにヒップアタックした琴葉ちゃん。捕まえたつもりみたいです。
 彼女がのしのし攻撃する度に、結衣のトランシーバーから「うにゃっ」とか「ぐえっ」とかいう声が聞こえる気がします。

 


 良く見ると、パンダの置物への生け贄みたいなチューチューカブリラ。
「やっぱりこの街はパンダに乗っ取られる……!」と危機感を抱いた琴葉は、急いでさっちゃんと合流することにしました。

結「さっちゃ~ん! どこ~!? 出て来て~!?」

 

 

 

 

 二人の去った交差点には、


チュ『………………や……。ちょっと…………?』


 さっちゃんの声に似た未確認生物が、横たわり続けていました……

 


 ……さっちゃん、大丈夫かな。

 

 

 

 

あとがき。

 トランシーバーを駆使したかくれんぼ、めっちゃ楽しそうでした。子どもの頃にやりたかった。
 実はヒダマルのちっちゃい頃、家にもあったんですよ、トランシーバー。しかし、当時のはごつくて重い。小学生が持ち歩くには、ちょっと不便。

 カラーズが持ってるようなカラフルでお洒落なトランシーバーなら、子どもに贈りたいですね。

 

 あと、ヒダマルは花粉症ではありません。花粉症だったら思う存分ネタに出来るんですけどね。健康第一ですよね。

 


 〆はカラーズ反省会ですが、そうか、次回は最終回だから、反省会は今回で最後なのか。

 ありがとう、カラーズ反省会。
 さようなら、カラーズ反省会……。

結「あのね。みんなに、言わなきゃいけないことがあるの……」
さ「なんだ? リーダー?」
琴「どうした」
結「すごく、悲しいんだけど、今日限りでね……、私……!」
さ「うんこかっ! うんこになるのかっ!?」
結「えっ!? もう、違うよっ! うんちになんかならないよぉ!」
琴「どうせアレだろ? 今日限りでもう、カラーズ反省会はやりません、とかそういう話だろ」
結「すごい琴葉、なんで分かったの?」
琴「簡単だ。次は最終回だからもう次回予告は必要ない」
さ「最終回……!? そうか……。ついにこの街もうんこになるのかぁ……」
結「ならないよっ! あと次回予告じゃないからっ! カラーズ反省会だからっ!」
琴「まだ言うのか」