ヒダマルのアニメ日記。

アニオタ・元保育士・隠れアスペルガーと、三拍子揃ったヒダマルがお送りするアニメ感想ブログ。アニメ関連の雑記や分析なんかもチラホラ。毎日午後8時に更新予定です。

『だがしかし2』 第十一話「ホームランバーの当り棒と雪と……」


 デスマーチから始まるだがしかし狂騒曲。
 明日の九時には原稿を仕上げなければ、日曜日の漫画審査会には間に合いません。

ハジメ「店長、仕上がったんで、見てくれますか?」
ココノツ「これは……! 早……、うま……!

 実は多彩なハジメさん、ココノツも驚きの技術で漫画を仕上げてくれます。これはありがたい。

 


サヤ「おまたせー。コーヒー淹れたよー」

 襖を開けて入って来たのは、遠藤のサヤ師。
 わざわざ店から持って来た道具で、本格コーヒーを作ってくれました。こういうサポートも、ありがたい。

 


 そして、

豆「ココノツ……!」


「はぐりんが仲間になったぞ……ッ!?」


豆「やったぜッ!!」
コ「ぁ、良かったね……」

 ドラクエやってます。
 これはこれで力になってる、のかな……?

 

ホームランバーの当り棒と雪と…

 

 

 

 


 そして、遂に。

 友人たちと、バイトさんの援助の甲斐あって。


「で、」


「できた……」


 ココノツ作の漫画原稿、『スピンッ!』が完成しました。
 と同時に、倒れ込むココノツ少年。

 

 うん、爆睡という名の死を迎えています。


 そっとしときましょう、今は。

 

 

漫画原稿と…… 後編

 原稿を鞄に入れて、部屋を出る直前。

 何気なく開けた引き出しの中には、一本の棒きれがあります。
 それは、


 ホームランバーの、当り棒。


コ「…………、」

 

 

 

 


 電車に乗って、移動することしばし。

コ「こ……、ここが……」

 

「漫画出張審査会場……!」


 少年が訪れたのは、LEONモールです。20日と30日は5%オフな雰囲気です。笑顔な武井さんがCMやってそうです。

 そして、ここの本屋さんが、ココノツの目的地なのです……!

 

 

 

 


 喫茶遠藤。

 カウンターであくびを打つサヤ師と、もはやお馴染みのあの雑誌を妹の前で読んでる豆くん。流行ってんでしょうか。ヨウさんも読んでたな。

 

 そこへ、ハジメさんがやってきました。

 過酷なデスマを乗り越えた戦友ですから、もうすっかり仲良しですね。実は初来店。

 

 


サヤ「それにしても……、どうなるかな、ココノツ……。私まで緊張してきたな~」

 自然、会話はココノツくんの話題へ流れます。
 彼が漫画家になるかもしれないと、ちょっと浮足立ってますね。

サ「そうだっ! 帰ってきたらお祝いしようかなぁ~っ!」
豆「気が早いだろ。お疲れ様会ってとこじゃね~?」


 そんな、若い二人に。

ハ「う~ん、でも」


「今日は、やめといた方が良いと思いますよ」


 ハジメさん、伊達に大人じゃありませんね。

 

 

 

 

 

(うぅぉお、めっっちゃ緊張する……ッ!!)

 緊張しまくるココノツの名前が、いま、呼ばれました。

「ぁ、はいっ」

 

 

 

 

サ「あの……、それって」

 

ハ「たぶん……、めっっちゃ落ち込んで帰ってくると思うんで」

 

 

 

 

 

 ガチガチに固まるココノツの前で、
 編集さんが、さらさらと原稿を読んで。

編集「キミ……、」

 


「凄いよキミっ! このレベルならすぐに連載開始っ! いや、」

 

「新人賞も夢じゃないッ!!」

 

 

 まさかの即デビュー。

 

 掲載誌の表紙を飾り、大量に平積みされ、ニュースで取り上げられるほどの社会現象に。

 町行く人は『スピンッ!』のTシャツを着て、誰もの話題に上ります。


 今年の日本漫画新人大賞にも選ばれて、もはや知名度は天井知らず。
 授賞式でのスピーチ、そこに現れた影は、

 

 あの人のシルエットをしていて……、

 

 

 

 


 とん、とん。

 編集さんが原稿を整えた音で、我に返ったココノツ。うん、お帰り。
 穏やかそうな編集さんは、「これ、何日くらいで描いた?」と質問してきました。

(描き始めたのは三ヶ月くらい前だけど、実質、描いた日数は……。二、三週間てところか……)


編集「二週間くらい?」
コ「えーっと……。はいっ、実質……っ」
編「ほぉ。結構早いね」


 ちょっと褒められて、嬉しいココノツ。

 嘘はついてませんが、

 


編「もっと、時間かけられなかったの?」

 

コ「え。……あの、」

 

 

 

 

 

 

「一ページ一ページ添削したいところだけど……、まだ後があるからなるべくまとめるけど」

 

「時間が有限だと気付けてない。キミ、集中力ないでしょ」

 

「得意な所は自信あるのに、苦手な所に目を向けてないから、時間をうまくつかえていない」

 

「言い訳が見える」

 

「多分、本当に集中したのはここ二日ってとこだろう」

 

「まぁ今日の為に描き上げたのは、えらいと思うけど……」

 

 

「良い所を一個挙げると、」

 

「若さ。だね」

 

 

 

 

 

 

 

ホームランバーの当り棒と雪と……


(五分で終わった)


 夕暮れを過ぎて、夜が始まる時刻。


(三時間かけて来て、五分で僕の漫画の審査が終わった)


 地元にはない、大きな橋を渡りながら、現実を飲み込めない鹿田ココノツ。

 


(集中力。言い訳? 言い訳ってなんだ……)


 駄菓子屋が、危機だったのです。

 色々と、邪魔が入ったのです。


(だって、店のことで忙しかったんだ……。僕がどうにかしないと、)

 

(どうにか……、)

 

 

 

(なんで、店長なんかやってるんだっけ…………)

 


 ポケットの、中で。

 手に当たるのは、ただの棒。

 

 

 

 

 

 

『只今、降雪の影響で、一部列車に、運休、および遅れが発生しております。なお、運転を見合わせております列車に着きましては、現在復旧のめどはついておりません……』

 

 

 

 


 木造の駅舎の、狭くて寒い待合い室で。

 じっと座ったまま、……ただ座っている事しかできない少年。

 


 帰っても、みんなに合わせる顔がない。


 ハジメさんも、

 サヤちゃんも、

 豆くんだって。

 

(せっかく手伝ってくれたのに……)

 

 

 

 

 座っている事しか、できず。


(向いてないのかな)


 乾いていた瞳に、やっと感情が込み上げようした、

 

 

 

 瞬間。

 

 

「あら。」

 

「ココノツ君じゃない」

 

 


「………………………ほ、」


「何してるの? こんな所で」

 

 

 

 木造の、駅舎の、


 狭くて寒い、待合い室に、


「ひ、久しぶり。ほたるさん……」

「お久しぶりね。ココノツ君」


 彼女は、現れました。

 

 

 

 

あとがき。

 ハジメさん、どんどん大人っぽさが増していきますね。
 喫茶店にやってきたのも、浮足立ってる若い二人に釘を刺すために、徹夜明けの所をわざわざ歩いたんですよね。

 なんて優しさと配慮でしょう。

 

 それと、まぁ、編集さんの言葉。

 耳に痛いことばかりですが、きっちり伝えないと本人と社会のためにならないんですよね。
 理解しちゃいるけど、ヒダマルには厳しいなぁ。

 そういうのは、得意な人に任せます。
 ふんばれ、ココノツくん。

 

 次回、「ただいまとお帰りと……」。
 やっとこさ帰って来た彼女は、傷心のココノツ少年に何を語るのでしょうか。