『宇宙戦艦ティラミス』 第九話「RETURN OF THE ACE PILOT/A FRIEND OF MINE」


 愛嬌を振り撒きつつも実は腹黒いアシストボット、「パッカー」。

 彼が右腕ごと紛失した財布は、何故かスバルのコックピットから発見されたのである。


「カード止めずに済んでよかったですぅ」

 白々しくホッとしているパッカーから、冤罪をなすりつけられようとするスバル・イチノセ。
 果たして、彼の運命や如何に……!?

 

 

RETURN OF THE ACE PILOT

「優等生てめぇ!!」

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〈アニメ『宇宙戦艦ティラミス』公式サイトより引用 © 宮川サトシ 伊藤亰・新潮社/「宇宙戦艦ティラミス」製作委員会〉

 おぉーう。
 冤罪まっしぐら。
 一切の言い分を聞かれずにこのザマです。

 


 間髪入れずに、リージュ中尉からの平手打ち。

「あんた、やっと戻って来たかと思ったら何やってんのよ!!」

 

 おぉーう。
 こーゆー時にぼっちは辛いぜぇ。
 見方が一人たりともいないぜぇ。

 

 

 

 しかし、スバルも流石に黙っていられません。
 後ろでくすくす笑ってるロボットが犯人であることを証明しなければ。

「違うんです……、コイツがッ!」

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〈アニメ『宇宙戦艦ティラミス』公式サイトより引用 © 宮川サトシ 伊藤亰・新潮社/「宇宙戦艦ティラミス」製作委員会〉

 羽交い絞めにして、無実を訴えるスバル。しかし、当然誰も聞いてくれません。いよいよ本当にぼっちです。戻って来たかと思ったらコレです。

 スバル、君は泣いていい。

 

 

 また独房入りかと思われたその時、スバルはあることに気付きました。
 ワザとらしく「ぴぽぴぽ」言ってるパッカー、その後頭部に、

 

             性格

         良  中  悪

 

 と記されたレバーがあることに。

 そして今は、


(最悪になってるッ!?)


 どんな機能だ。
 誰が搭載しようって言ったんだこの機能。

 

 


 しかし、これは渡りに船。
 性格を「良」にすれば、素直に罪を認めてくれることでしょう。「悪」がコレですから、真逆となれば期待できそうです。

「その性格ッ、修正してやるッ!! 真ロボットになって本当の事を話せ、パッカー!!」

 気合一発、レバーをつまみますが、

 

(駄目だッ、錆びついててビクともしないッ!!)

 

 更なる障害の発生。
 クレ556はどこだ。

 

 


 しかしッ!
 数多の困難を乗り越えてきた、我らがぼっちエースパイロット、スバル・イチノセの観察眼は、どんな時にも光明を見出すのです。

(ッ!?)


(バイクモード……!? これだッ!!)


 レバーの上にあった「バイクモード」のボタンを押し、パッカーをバイク形態へ移行させました。
 ちなみに、他には「飛行モード」「潜水モード」のボタンもあります。宇宙では何の役にも立たなそうですね、潜水モード。

 

 

 バイクになったパッカーにまたがり、自分の部屋に戻るスバル。パッカーが入っていた箱を確認して、メーカーに返品手続きする算段です。

 メーカーから説明してもらえれば、誤解も解けることでしょう。ちょっと苦しいけど。

 


 流石はバイク、すぐに部屋に到着。

「箱は何処だッ!?」
「押入れの一番上に片付けてあるですぅ。スバル様はゲーム機の箱とかも捨てられない貧乏性ですぅ
「黙れ」

 減らず口を叩くパッカーに肩車してもらいながら、箱を探し当てたスバルです。

 

 

 

 早速にメーカーを確認しますが、


「中古品ッ!?」


「説明書保証書なしの、ご理解いただける方のみご購入下さいのヤツだぁッ!!」


 誰が買ったんだコレ。
 地球連邦最重要戦艦ティラミスの財政状況はどうなってるんだ。

 大丈夫か人類。


「メーカー返品不可のヤツじゃないかぁッ!!」


「ティラミスめぇーーーーッ!!」

 

 

 


 ……後日、館内の監視カメラによりパッカーの犯行が明らかになり、スバルへの疑いは晴れましたとさ。


 あと、パッカーの性格調整つまみは熟練メカニック・シゲコさん(岐阜出身)により、最良のところで固定されましたとさ。

 

 

 

A FRIEND OF MINE

 宇宙での激しい戦闘を終え、緊張を解いたスバル。

「スバルさん、お疲れ様です。この宙域の敵は殲滅したですぅ」
「助かったよパッカー。兄さん……、いや、コーディさんの代わりをよくやってくれている」
「お役に立てて嬉しいですっ」

 すっかり改心したパッカーくん、スバルのコーディネーターとして活躍しているみたいです。
 コーディさんの正体は生き別れのお兄ちゃん、イスズ・イチノセさんでしたからね。しかも今は敵同士。

 

 

「ティラミスから、ヴォルガー隊の到着を待てとの伝令ですぅ」
「じゃあ、あの続きを頼むよ、パッカー」

 コックピットの正面に首だけ設置されているパッカーに話しかけ、「あの続き」を観るスバル。
 うん、ゾンビものの海外ドラマですね。意外と面白いの多いですよね、海外ドラマ。最近のは知らんけども。

 


「この主人公のデイブ、ヨーロッパ系なのに青龍刀で戦う渋いところ、好きだなぁ~……」
「あ、デイブは、シーズン2であっさり死んでしまうです」

 

「ッ!?」


「普 通 そ れ 言 う ッ !?」


 あまりのショックに、開けようとしていたポップコーンをぶちまけてしまうスバル。

 スバル、君は怒っていい。
 お気に入りのキャラがどこで死ぬとかそんなん、「『シックス・センス』のオチ」くらい言ってはいけない。

 

「いや、スバルさんが後でショックをうけないようにと……」

 うぅむ、「最良」でも良いことばっかりじゃないんだなぁ。人工知能って難しいなぁ。

 

 

 

  散らばったポップコーンを片そうとして手を伸ばした瞬間、スバルの感覚に衝撃が走りました。


「ちゃん、ちゃんちゃちゃん……、おっ。よぉ! 元気してたかぁ?」


「いんもぉ~~!!」


 ユニバース感覚、発動。
 スバルの唯一の親友、その名も「陰毛」が再登場しました。

 説明しておくと、「ユニバース感覚」とは「超感覚を研ぎ澄ますことで、あらゆる物質の声が聴ける」みたいな能力で、スバルは自分の陰毛と仲良くお喋りするのが大好きなのです。


 あっ、引かないで。

 ヒダマルのアイデアじゃないから、アニメのだから。引かないであげてお願い。
 それと、陰毛の声は中田譲治さんのダンディボイスです。

 

 


 久しぶりの陰毛に喜ぶ(どんな日本語だ)スバルでしたが、しかし彼は確か、フリスクの空き箱に大切に入れておいたはずです。

「怖い怖いぃっ、嬉しいけども? 俺ら、何本だって生え変わりますから」

 らしいです。
 陰毛はみんな陰毛なんですね。

 

「今日はな、スバルに紹介したいのがおってぇ……。おい」
「ちゃんちゃんちゃちゃ……、いつも主人がお世話になっとりますっ」

「主人!?」


 この陰毛、結婚したらしいです。

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〈アニメ『宇宙戦艦ティラミス』公式サイトより引用 © 宮川サトシ 伊藤亰・新潮社/「宇宙戦艦ティラミス」製作委員会〉

 

「ええへっ、でも待って、この子も俺のだよねっ?」
「多分、そうかな」

 スバルくん、陰毛による突然の結婚報告にもバッチリ対応してます。
 流石はユニバース感覚の持ち主です。

 


 そして、この展開が面白くないキャラが、ひとり。

(ユニバース感覚が発動して、自分の陰毛と会話してるですぅ。ボクと話している時より、89.95%増しで楽しそうですぅ……)

 そう、良心的になったパッカーくん。


(スバルさん好みの海外ドラマをダウンロードして、少しぐらい気を引いたって、バチは当たらないですよねぇ……)

 

 

 

 和やかにお喋りしていた陰毛(どんな日本語だ)が、突然に険しい声をあげました。

「ッ!? スバルッ!! 敵や、やたら速いぞッ!!
「敵!?」

(イスズ兄さんか……ッ!?)

 戦う運命にある兄・イスズの顔、そしてケリュケイオンを思い出し、気を引き締めるスバル。
 すぐにパッカーへ指示を出そうとするも、

 

 

    黒毛穴が……、ゴッソリ!!

         さよならイチゴ鼻!

         角栓ビッシリ!!
        黒ずんだいちご鼻が
         スッキリ消えた!!

     1587人限定87%OFFキャンペーン実施中!

 

 

 モニター全体に、イチゴ鼻を解消する広告が表示されていました。


「なんだこの広告はッ!? 前が見えないじゃないかッ!!」
「ダウンロード中はどうしても広告が表示される仕様ですぅ!」
「誰も頼んでないだろぉ!!」


 スバル、ピンチです。
 このままでは、イチゴ鼻の解消方法を眺めながら冥途へ旅立つことになります。(あ、1587人限定って「イチゴバナ」だからこんな半端な数字なんだ……)が最期の思考になっちゃいます。そんなんヤダ。

 

 

「モニターへの出力ケーブルを外すんや!!」

 真っ先に動いたのは、なんと陰毛。
 パッカーの後頭部に回りますが、


「HDMIケーブルじゃないやんかぁッ!?」


 あぁ~、あのホラ懐かしいタイプだ。
 PS2とかのホラ、「映像」「音声」とかが赤、白、黄色のコードで分かれてるヤツだ。

 

「ボク、コンポジット接続なんですぅ。画面出力は、黄色いプラグですぅ」

 映像モニターを回復させるため、黄色いプラグを引っ張る陰毛。奥さんと手を(毛を)取り合って、必至の綱引きです。

「いっくでぇ、せぇ~のッ!!」


 すぽっ!!


「よっしゃぁ~ッ、いった~ッ!!」


 ぶちっ!!

 


「あ……」

「あ……」

「あ……」

 

 

「あ、」


「アナタぁーーーーーーッ!!」

 

 

 陰毛(夫)、力を込め過ぎて千切れてしまいました。


「……、スバル。お前と話すの、楽しかった……、」

 「陰毛ぉぉぉーーーーーーッ!!」

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〈アニメ『宇宙戦艦ティラミス』公式サイトより引用 © 宮川サトシ 伊藤亰・新潮社/「宇宙戦艦ティラミス」製作委員会〉 

 

 スバルの命を守るため、新婦を残し千切れ去った陰毛。
 彼の名を叫ぶスバルの前に、モニターが復活しました。

 そこに移るのは、

「……!? 黒いデュランダル……ッ!?」

 

 

 

「見つけたぞぉ」

「俺のコピー……」

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〈アニメ『宇宙戦艦ティラミス』公式サイトより引用 © 宮川サトシ 伊藤亰・新潮社/「宇宙戦艦ティラミス」製作委員会〉

 

 

 

まとめ。

 いやぁ、手に汗握る展開でした。

 あの不良品パッカーはホント誰が買ったんでしょうね。冤罪が解けたのはいいものの、ドラマのオチを教えてくるとか。


 それにしても、イスズ兄さんとの話も宙ぶらりんなのに、パッカーや陰毛そして謎のスバルコピーと、

 キャラが渋滞してませんかね?

 

 スバルのコピーって、これもおそらく残念属性キャラだと思われますが……。