ヒダマルのアニメ日記。

アニオタ・元保育士・隠れアスペルガーと、三拍子揃ったヒダマルがお送りするアニメ感想ブログ。アニメ関連の雑記や分析なんかもチラホラ。毎日午後8時に更新予定です。

愛のカタチ。 『ゲゲゲの鬼太郎』第三十一話「小豆洗い小豆はかり小豆婆」


「U-Tuberの育て方」なる本を手に、次なる金儲けを企むねずみ男。出会ったのは、いまどき流行らない小豆妖怪三人組でした。

 小豆の復権を目標にして、ねずみ男のプロデュースに乗ることにした三人は……。

 

 

小豆洗い、小豆はかり、小豆婆。

 目指すは人気U-Tuberですから、とにかく動画が必要です。

「このスマホとかいうやつで、動画とやらを撮ればいいんじゃったな」

 たどたどしくスマホ(黄色くてボロボロで今にも壊れそう)を取り出すのは小豆洗い。


「ただの動画じゃねぇ。楽しくてお洒落でみんなが羨ましがる動画だ」

 時流を分析するのは、こう見えて商才のあるねずみ男。


「そりゃ心配無用じゃ。とっておきの物を用意したからな」

 ただひとりクリーチャーな見た目をしているのは、小豆はかり。


「あずきぃ~」

 喋れないキャラを貫きつつ頷くのは、小豆婆。

 

 

 はたして、小豆三人組が作ってきた動画とは、

「しなびた妖怪が小豆いじくってるだけじゃねーか!」

 しなびてたっていいじゃない 妖怪だもの。

 

 

誕生と躍進。

 このままじゃ埒が明かんと、断腸の思いで「小豆を捨てる」道を選んだ三人。
 堅実に有名人になった上で小豆を宣伝すれば、小豆の天下を取れる日もやってくる、という塩梅です。

「それが……、小豆のためなら……」
「あずきぃ~……」
「しかし、一時のこととしても、小豆を捨てるなどわしには……」

 小豆はかりだけは、どこか不安そうにしていましたが……。
 今時の感性にウケた三人組は、あっという間にU-Tuber業界を席捲したのでした……。

 

 

軋轢と決別。

 すっかりセレブになった三人は、心穏やかに都内の夜景を楽しんでいました。キチッと正装しています。

 しかし、いくら有名になっても小豆の宣伝に手を付けようとしないねずみ男と、彼に疑いなくついて行く現状に、小豆はかりは疑問を抱き始めていました……。


「いやぁそれにしても良い夜だ。この数週間で俺たちは多くの物を手に入れた」
「あずきぃ~」
「本当にそうかのぅ……」
「「?」」

「わしはむしろ、なにか大切な物を失った気がする……」

「なに?」
「ここしばらくわしは小豆に触れてもいない。していることといえば、人間の発明したもので遊び歩いているだけ……。どんどん本当の自分でなくなっているようでな。やはりわしらは、小豆と共になくては


 ドンッ


「お前の小豆愛はそんなものかっ! それも小豆の復権のため! そのために今は自分を捨ててでも、俺たちの名を広めなくちゃならねぇんだ!」

「しかし最近のお前は、本来の目的を忘れ、ただ人間からチヤホヤされることを楽しんでいるように見える……っ」

「な、なにぉ……」

「小豆を愛していないのは、わしとお前たち、どっちだ!!」


 超熱く語ってますが、話題は小豆です。

 このひとたち終始、小豆の話をしてるんです。

 

「わしは今日限りで辞めさせてもらう。小豆をはからなければ生きる意味はないっ!!」

 

 

転落と逃避。

 小豆はかりの脱退、小豆婆のソロデビュー。
 ねずみ男にも見放され、ひとり彷徨う繁華街。

「どうしてみんな、俺を裏切る……」


 小豆を売り出す動画を配信しても、振り向く人はなく。
 次々と減っていくチャンネル登録数。

 閉ざされた道。


(俺は……、俺はいままで何をしてきたんだ……。いったい何処でまちがえた……)

 

 自暴自棄になった小豆洗いは、洋菓子店に出入りする者たちへ小豆畑の呪いをかけ始めたのでした……。

 顔に小豆がビッシリんなるのです、なんと恐ろしい……。

 

 

再会と出発。

 鬼太郎に止められるも、耳を貸さない小豆洗い。
 軽く放たれた髪の毛針が突き刺さろうとした瞬間、

 彼をかばったのは、小豆はかりでした。


「この大馬鹿もんが……! 洋菓子の代わりに食されても、小豆は報われなどせん……っ!」
「たとえそうだとしても、俺に出来ることはもう、これしかないんだ……!」

「小豆で哀しみを生んではならない……っ!」
「っ!」


「小豆は笑顔をもたらすものだ……っ! そうだろ……っ!?」

 

 

 小豆はかりの言葉に感銘しつつも、すべてを捨てて小豆の復権を果たす念願は譲るわけにいかない小豆洗い。

 

 すべては愛ゆえ。

 愛のカタチの違いゆえ。

 

 志を同じくし、共に邁進し、しかし道を違えた親友たちの前には、やはり決別の未来しか残されて

 


『あ~ずきぃ~~!!』


 まだ残ってました。
 陽気な音楽を伴って、小豆カーがやってきたのです。


 現れたのは、

「いたぞ! 小豆グランマだ!」
「きゃ~っ! どら焼きくださ~い!」
「僕はお饅頭!」

 荷台に備えられた販売スペースで、次々と小豆商品を売って行く小豆婆、いや、小豆グランマ。

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 そう、彼女は裏切ったのではなく。

 自分のやり方で、小豆のおいしさを伝えるためのソロデビューだったのです。

 

「もう少し、信じてくれていいと思ったけどねぇ……。何百年一緒にいると思ってんのよ」

 小豆婆しゃべれるんかい。
 しかもちょっとセクシー路線なんかい。


「「しゃべった!?」」

 お前らもかい。
 何百年一緒にいるんじゃい。

 

 

 

 

 それから……。


 一世を風靡した小豆ブームは過ぎ去り、小豆グランマを思い出す人間はいなくなりました。

 そして、たい焼き屋の奥、小豆と真摯に向き合いながら、小豆で笑顔を生み出す妖怪たちの姿がありました。


 いまも、仲間たちと一緒に。

 

 

まとめ。

「厄運のすねこすり」「かわうそのウソ」「妖怪アパート秘話」など、この鬼太郎はバトルよりむしろ悲しく切ないストーリーで真価を発揮している気がします。

納得のバッドエンド。 『ゲゲゲの鬼太郎』第六話「厄運のすねこすり」

ねこ姉さん七変化。 『ゲゲゲの鬼太郎』第十八話「かわうそのウソ」

時を超えた遭遇。 『ゲゲゲの鬼太郎』第二十三話「妖怪アパート秘話」

 

 話の流れもバトル回より複雑でうねりがありますよ。まとめるのも一苦労、特に今回は愛が強いですから。長くなるなる。

 語ってることは小豆ですが、その本質はどこか我々人間にも、いいや人間にこそ、考えさせられるものがありました。


 次回は「悪魔ベリアル百年の怨嗟」。
 小休止をおいて、西洋妖怪が再び襲いかかります。


ゲゲゲの鬼太郎 第32話予告 「悪魔ベリアル 百年の怨嗟」